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6.27.2011

Mike Mandel マイク・マンデルのこと



Mike Mandel (b.1950 Los Angeles, California)

科学実験などの記録写真を構成して"Evidence"という”本”(本という形態が重要だった)を写真家のラリーサルタン(Larry Sultan)と一緒に作ったマイク・マンデルというアーティスト。

ベースボールカードの形式をまねた写真家のカード作品〔Untitled (Baseball-Photographer Trading Cards)〕があるのを知って、その風変わりなものを制作した Mike Mandelという人が、あの "Evidence" の「マイク・マンデル」なんだと繋がった。(制作年は、Baseball Photographer Trading Cardsが1975年で、Evidenceは1977年)



このブログに彼の貴重なインタビュー(英語)と作品の画像。
Shane Lavalette : A Telephone Conversation with Mike Mandel

さらに彼自身が自分の作品をアップしているFlickrアカウント。
Mike Mandel On Flickr
Myself: Timed Exposures, 1971
Mrs. Kilpatric, 1973
The Seven Never Before Published Portraits of Edward Weston, 1974
How To Read Music In One Evening, 1974
The Baseball Photographer Trading Cards, 1975
Evidence, 1977
Newsroom, 1983
Making Good Time, 1989

これで随分どんな芸術家なのかわかってきた。制作方法は、写真(ファウンドフォトから、他の人に撮ってもらう、自分で撮る)とモザイク画によるパブリックアートの制作。



ここからは私の勝手な解釈だが、彼がフリッカーに掲載している作品を見ていて、ふと3人の芸術家の3つのシリーズを連想した。

Ed Ruscha : Twentysix Gasoline Stations, 1962
Lee Friedlander : Self Portrait. New City, NY: Haywire Press, 1970
Taryn Simon : An American Index of the Hidden and Unfamiliar 2007

彼のセルフポートレート作品 "Myself: Timed Exposures (1971)"はフリードランダーの影響を受けたものとマンデル自身がインタビューで語っているが、彼は Taryn Simon の"An American Index of the Hidden and Unfamiliar"に影響を与えているだろうと想像できる。さらに彼らの源流にはEd Ruscha がいて彼も現役で併走している。このような芸術家/写真家の相互作用を、彼らの作品を目印に知ることは - それは芸術家個人の達成以上に、このメディウム自体の達成をこの全体の活動の総体の中にみてとることもでき、それはとても楽しことのように思える。

このようにマンデルについて頭の中がパンパンに情報で膨れ上がってうんざりする前に、慌てながらも得た情報を羅列してきたが、これらの羅列が、これまであまり知られることがなかったこのユニークな芸術家を知るのきっかけになればいいと思う。

Prison Photography : Mike Mandel is still an Unconventional and Surprising Chancer
SF MOMA : Works by Mike Mandel and Larry Sultan
photo-eye Bookstore | Larry Sultan: Evidence | photo book
American Suburb X / THEORY: "Evidence - Larry Sultan and Mike Mandel" (1977)
Shane Lavalette : Mike Mandel: How to Read Music in One Evening, A Clatworthy Catalog
Mike Mandel: Baseball-Photographer Trading Cards
Larry Sultan - Wikipedia, the free encyclopedia

SO BOOKS : Mandel, Mike (マイク・マンデル) / Making Good Time
マイクマンデル | 高藤冬木の古時巡礼
A Happening Photographs : White Clothes
("Evidence"を踏まえ福一の作業の様子の記録写真がまとめられている興味深い着眼点)

Lee Friedlander MoMA リーフリードランダー 写真集 ...
Taryn Simon : Contraband(Steidl) Taryn Simon
Taryn Simon: An American Index of the Hidden and Unfamiliar 近くにある秘境の写真
Ed Ruscha, Photographer" Edward Ruscha エドワード・ルシェ

Amazon.co.jp : The State of Ata: The Contested Imagery of Power in Turkey
Making Good Time
Evidence
Headlands: The Marin Coast at the Golden Gate
Larry Sultan - Katherine Avenue

9.12.2010

Gagosian Gallery, Andreas Gursky Mar 4 - May 1, 2010 Catalog

(C)Rizzoli

Gagosian Galleryで2010年3月に開かれたAndreas Gurskyの個展のカタログ。ハードカバー、スリップケース仕様。

作品の展示風景はこちらです。以前よりさらに巨大なプリントになってきているようです。

Amazon.co.jp:Andreas Gursky

9.06.2010

michio hoshino 洋書の星野道夫 Hoshino's Alaska & The Grizzly Bear Family Book

(C)Chronicle Books

日本の写真家、星野道夫(b.1952 Chiba,Japan)
動物写真は全く詳しくないのですが、名前くらいは存じている星野道夫氏。
Google BooksでサンプルをみつけたHoshino's Alaskaをみて圧倒されました。
海外ではこのChronicle Booksから出版された写真集で知られているようです。この本の表紙の高いアングルからの写真が素晴らしいです。

星野道夫公式サイト
UNIVERSITY OF ALASKA MUSEUM:Michio Hoshino

その中の短いインタビューで、動物が大きな自然の中になぜ点景で収められているのかちょっとだけ理解を助けるものとなりました。

星野道夫 - Wikipedia
Braided River:Gellery

Michio Hoshino - Wikipedia, the free encyclopedia


8.13.2010

JEM SOUTHAM イギリス 写真家 "Landscape Stories"





JEM SOUTHAM(b.1950 Bristol,England) イギリス、北西部の港町ブリストル出身の写真家。大型フォーマットのカメラで風景をできるだけ客観的におさえるタイプの写真家。画像を見るとイギリスの海岸線の崖や羊、庭や小川、海岸線を淡々と確実に写真にして、それを構成している。マーチン・パーはイギリスの写真家として日本でも有名だが、彼もイギリスにおいてここ25年間で最も重要な写真家の一人として挙げられている。

Seesaw:Landscape Stories Interview with..
V&R:http://www.vam.ac.uk/collections/photography/past_exhns/southam/index.html

最近話題になっているシャーロット・コットンの現代写真論の第三章”デットパン”でも取り上げられている。

Photography-Now:JEM SOUTHAM

Robert Mann Gallery
James Hyman Gallery:JEM SOUTHAM
Archphoto:JEM SOUTHAM(flash)

代表作の写真集"Landscape Stories"のサンプルイメージ。

以前はこの手の無愛想な風景写真は退屈で嫌いでしょうがなかったのですが、アレックソス(Alec Soth)を見て以来関心をもっていて、ついついこのブログでも多く取り上げています。

8.07.2010

Ferit Kuyas スイスから中国へ ”Chongqing. City of Ambition”

(C)Benteli Verlags Ag

Ferit Kuyas (b.1955 Istanbul)

Bioによると昨年2010年のヨコハマフォトフェスティバルのキックオフイベントでのProjection(スライドの上映)が行われたようです。そんなトルコ生まれ、スイス育ちのFerit Kuyas

Official Web site
Photography-Now:Ferit Kuyas

スイスで建築を学び、個人的に進めてきたプロジェクトはそのスイスでの建築写真、中国でのランドスケープ写真がこれまでのプロジェクトです。Chongqing. City of Ambitionは霧が出ているときを使って中国の水墨画なのか、霧でよく見えない風景写真は多少ユニークかもしれません。

7.10.2010

Manfred Willmann, Wilmar Koenig and Ute Eskildsen 二人の写真家と一人のディレクター

本を整理していてWilliam Eggleston: The Hasselblad Award 1998(参考:オトグス)が出てきたので久々眺めていたのですが、そこにあった"A conversation with William Eggleston by Ute Eskildsen"とタイトルがつけられたUte Eskildsenさんによるインタビューから。

そのインタビューを読むとエグルストンがMIT(マサチューセッツ工科大学)からの依頼でカラーの映像を撮っていたとか、プリントは本人がしているわけではなく、プリンターに依頼してそれをみて指示だししているとか、シャーカフスキーとのやり取りを通してダイトランスファープリントで展示を構成していった話などが簡潔に述べられている。

原文は丁寧にWilliam Eggleston Trustがインターネット上にアップロードして文章に簡単にアクセスできるようにされているのでご興味のある方はどうぞ。

と、ここまできてまたエグルストンの話かとなるのだが、今回はちょっと違って、その中で1999年当時彼が興味をもっていたと答えた写真家二人の名前が挙げられていたのでここに残しておきます。

Manfred Willmann(b.1952 オーストリア)
http://www.secession.at/art/2003_willmann_e.html
http://www.photographie.com/?autid=107541
Schaden:Manfred Willmann Werkblick
Manfred Willmann Greis, 1971

Wilmar Koenig(b.1952 ドイツ)
copenhagen unlike
Wilmar Koenig Retrospective
artnet:トラウマになりそうな普通のウサギのモノクロの写真

ちょっと調べたところ、この同年生まれのヨーロッパ人二人がどういう作品を制作しているのかよくわからなかったのですが、エグルストンは興に乗ったのかWilmar Koenigと”Double Exposure”という本で共作しています。

ネットでアクセスできる情報の量が少なく、すっきりまとまらないポストとなりましたが、最後にインタビューを担当したUte Eskildsenという方は著名なディレクターとのことでSteidlによると、ドイツのMuseum Folkwang, Essenの写真部門に1979年から現在もなお籍をおく方とのこと。

ちょうど現在開催中の”A Star is Born - Photography and Rock since Elvis ”のディレクションも担当。ロバートフランクのモノグラフの編集、またMuseum Folkwangのコレクションカタログなどが今年出版されるようです。

ドイツの最重要なキュレーターの一人といったところでしょう。着ているジャケットも気合が入っています。

6.18.2010

Gueorgui Pinkhassov "Sightwalk" ゲオルギィ・ピンカソフ 

(C)Phaidon

先日原美術館のウィリアム・エグルストンの写真展を見に行って、そういえばと思い出した、1952年モスクワ生まれ、現在パリに在住の写真家ゲオルギィ・ピンカソフ (Gueorgui Pinkhassov)

マグナム・フォトス:ゲオルギィ・ピンカソフ Gueorgui Pinkhassov

26歳の時に映画監督のAndrei Tarkovskyが彼の作品に興味をもって、映画”ストーカー”のスティル写真の撮影を依頼したというのは有名な話。


マグナムというと色々なタイプの写真家がいるにしても、まずは”世界を伝える”というスタンスに立ったこのフォトエージェーンシーにあって、この写真家のユニークなのが-”物事を伝えるため意味のある被写体”を狙うのではなく、光と色と点や線からイメージを作ることにより重きを置いていることが彼をユニークな存在にしている。そのイメージ群はドキュメンタリとして成立しないくらいアブストラクト。エグルストンのパリや京都の写真が、その被写体になにか特定の意味があって写真に収められたわけではなく長方形のフレームに目の前にある事物をつかっていかに画面を埋めていくか、そこに関心をおいているところが大雑把に括ると指向として近いと考えられます。

作品集としては日本で撮影した"Sightwalk"という写真集。和綴じで製本されていて、表紙は不思議なブツブツした加工で凝った作り。Phaidonが手間をかけたなかなかの装丁。写真集としては比較的少ない25点の写真。日本を撮っているのにあまりエキゾチックにもみえず、延々と光と模様(とにかくドットへの関心が強い)にだけ反応していて気持ちのいいくらい割り切ったグラフィックへの意識。

Portfolio - Gueorgui Pinkhassov: Portfolio
Book - Sightwalk
Gueorgui Pinkhassov - Wikipedia
Gueorguy PINKHASSOV: Sightwalk - YouTube
 
Amazon.co.jp : Sightwalk
ストーカー [DVD]

1.21.2010

Mitchell "Mitch" Epstein (ミッチエプスタイン) "American Power"





Mitchell "Mitch" Epstein (Wikipedia)は1952年生まれのアメリカの写真家。Cooper Union 校に在籍中はゲイリーウィノグランドから写真を学んでいる。

Mitch Epstein Official Web Site

American Power - アメリカの国土でエネルギー(電力)が生産され消費されている在り方を追った、エネルギーに依存して生活するアメリカ人の生活を考察した風景写真のシリーズ。”Family Business”(2000-2003)は、彼の父親が家業であった家具屋を終えた時の写真をまとめたシリーズ。10年間アメリカを離れヴェトナムやインドで写真を撮っていたが、アメリカに戻って制作した "The City" と前記の2つのシリーズで "American Trilogy"(アメリカ三部作)としています。

消費、家族、アメリカ(の性質)といったところがこの写真家のテーマの軸と考えられます。



Recreation ですでに見ごたえのある作品を作っていますが、それに飽き足らなかったのかインドやヴェトナムで制作が続き、写真は美しいのですが深くその文化について洞察がみられるものとは言い難いものでしたが、アメリカ、ニューヨークに戻り、自分の国の文化を一歩引いたところでみて、それが American Power で、テーマ性をもった壮大な作品に結実しています。

W H A T I S A M E R I C A N P O W E R?
彼のコラボレーターである妻のSusan Bell とともに"to inspire and educate people about environmental issues" (環境問題を啓発するために)"What is American Power?" という問いを広く投げかけ、その問いの回答がウェブで公開されています。

Amazon.co.jp : American Power
Mitch Epstein, Recreation: American Photographs 1973-1988
Mitch Epstein: Family Business
Mitch Epstein: State of the Union
Mitch Epstein: Work

9.11.2009

Arturo Herrera 1959年ベネゼエラ・カラカス生まれのアーティスト

Arturo Herrera;Almost Home
Art21:Arturo Herrera

1959年ベネゼエラ・カラカス生まれのアーティスト。作品を見ているとすぐにはわからないように色々なものが織り込まれていて、無意識まではいかないが子供の頃から蓄積されてきたコードを巧みにくすぐりをかけてくる。