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4.25.2012

Photobook History 世界のフォトブック通史(写真集の本)


(C)Phaidon


元々写真集の熱心なコレクターだった、イギリスのマーティンパーが中心となって写真集を手がかりに写真史を読み直す試みがなされました。そして2004年にPhaidonから発売された「写真集の本」のさきがけ。これがきっかけとなって、写真集そのもののモノとしての価値が認められ、高い値段で取引され、セルフパブリッシュ(個人の作る冊子/ Zine)の本が多く作られ写真専門のブックフェアも世界中で開かれるようになりました。

The Photobook: A History VOLUME 1
The Photobook: A History VOLUME 2
The Photobook: A History Volume 1 | Photography | Phaidon Store

その後オランダ、南米、スイス、日本と同様の書籍が作られ、展示を見なければ知らなかったような写真家の作品も、残された写真集によって知るきっかけへと繋がりました。近年 吉行耕平氏の公園 (The Park) の写真が世界に知れ渡ったのも、写真集が海外に買ってもって帰られたことが元々の始まりだそうです。

ヨーロッパ
The Dutch Photobook: A Thematic Selection from 1945 Onwards ... (Aperture)
Points of View in Austrian Photography from the 1930s Until Today
Swiss Photobooks from 1927 to the Present — Lars Müller Publishers
photo-eye Book Reviews: Swiss Photobooks from 1927 to the Present

南米
Paris Photo 2011 : The Latin American Photobook (La Lettre)
Foto/Gráfica: A New History of the Latin-American Photobook (Lens Culture)
Urbes Mutantes: Latin American Photography 1941-2012

日本
写真集史1956-1986 - AKAAKA
Aperture Foundation | Japanese Photobooks of the 1960s and '70s


変わったところでは、古書店兼ギャラリーの森岡書店の店主が色んな著名人ひとりひとりに写真集を薦めるという私信のような体裁の本 『写真集―誰かに贈りたくなる108冊』 店主が本屋を軌道に乗せるまでのハラハラする話が面白かった。気軽にみつからない本も多く掲載されていて、どちらかというと「(店主が)(あの人にどうしても)贈りたい本」といった内容。108冊。写真集とはあの本を見たい、どうしても持っておきたい - なるほど、煩悩みたいなもの。

Amazon.co.jp : The Dutch Photobook: A Thematic Selection from 1945 Onwards
The Latin American Photobook

日本写真集史 1956-1986
Japanese Photobooks of the 1960s and '70s
アメリカの現代写真 (ちくま文庫)
パリ・貧困と街路の詩学―1930年代外国人芸術家たち

2.10.2012

The History of Photography : From 1839 to the Present - Beaumont Newhall ボーモントニューホール 写真史テキストの草分け


(C)The Museum of Modern Art
 

MoMA(ニューヨーク近代美術館)写真部門の初代ディレクターであり写真史家である Beaumont Newhall (ボーモントニューホール) が記した写真史の古典。大学で写真を学ぶ際にまず買うことが命じられる文献にあたるものがこのテキスト。1839年はフランスではダゲール、イギリスではタルボットが写真技術を発表しました。1937年はMoMAで初めての写真展"Photography 1839-1937"が開かれた年。この本には1839年から1937年までの写真についての出来事が記載されています。アメリカのアマゾンのレビューを参考にすると一般的にこういったヒストリーの本は"Dry"(つまらない・無味乾燥)であることが多いですがこの本はよく書かれていて多くの情報も網羅されている、ということでした。私自身も写真史のテキストを読むのは苦痛ですが、そもそも写真とはどういうものなのか、また逆説的ですが写真史から自由になるために、写真史を俯瞰することはおおいに助けとなってくれます。邦訳は1956年白揚社版と、朝日ソノラマから1996年にもう一度。これら邦訳版は現物が手元にないので様子はわかりませんがアマゾンマーケットプレースや古書店では安価に売られているようです。

ちなみに以前このブログで紹介した Naomi Rosenblumが編集した"A World History of Photography"(邦訳版は美術出版社の"写真の歴史")は1839年から70年代終わりから80年代初頭までの写真史。

『歴史を多様性に拓く スティーブン・ショア”写真の性質”を手掛かりに』
(著:日高優「立教アメリカンスタディーズ」)[PDF]

Amazon.co.jp : History of Photography
写真の夜明け (クラシックカメラ選書)(朝日ソノラマ)
写真の歴史―1839年から現在まで (1956年)(白揚社)
A World History of Photography
写真の歴史(ナオミ ローゼンブラム 著)
Art and Photography (Themes & Movements)
美術の物語

写真の歴史 (「知の再発見」双書) クエンティン バジャック quentin bajac

9.20.2011

Triumph of the Nerds : An Irreverent History of the PC Industry コンピューターの歴史 スティーブジョブス ナーズの勝利



マイクロコンピューターが産まれる過程にいたキーパーソンが全員出てくる有名なドキュメンタリー。

Triumph of the Nerds: The Rise of Accidental Empires (1996) by Robert X. Cringely
Google Video : 01 02 03
Youtube : Triumph of the Nerds 01 02 03 04 05 06
Amazon.co.jp : Triumph of Nerds 1-3 [DVD] [Import]

PBS : Triumph of the Nerds: A History of the Computer
Triumph of the Nerds - Wikipedia, the free encyclopedia

7.10.2011

A World History of Photography by Naomi Rosenblum

(C)Abbeville


重版を重ね現在第四版の写真史の本。写真の誕生から始まって、科学の記録写真までをカバーしています。写真術が生まれ、記録としての機能が認識され、芸術と結びつき、またテクノロジーの進化を経て、印刷もされ、写真がさまざまな面で進化してきた様が圧倒的なボリュームで文字と写真を使って解説されています。写真の百科事典。

Abbeville Press books | A World History of Photography
Google Books : A world history of photography



著者はブルックリン美術館のLewis Hine展のキュレーションなどを担当する写真史家。
Dr. Naomi Rosenblum Bio

状態を問わないのであれば、紀伊國屋書店で中古が900円しないくらいで入手可能。テキストは英語。日本語版『写真の歴史』はなかなかの値段。ただし、ページ数(700ページ弱)も多く、文章と図録が半々くらいなので日本語版が高いのも納得です。印刷は日本でされたもの。日本の印刷技術、製本技術は素晴らしいと改めて実感しました。

A World History of Photography
The Photographer's Eye
The Nature of Photographs: A Primer
The Photograph As Contemporary Art (World of Art)
写真の歴史 (「知の再発見」双書) クエンティン バジャック quentin bajac

9.19.2010

The Pencil of Nature by William Fox Talbot フォックス・トルボット(タルボット)”自然の鉛筆”


カロタイプの発明家、イギリスのタルボットの世界で初めての写真で構成された書籍、写真史の中でも最も重要な部類にあたるThe Pencil of Natureが復刊。

ここしばらく話題にしている、畠山直哉氏の話す写真 見えないものに向かっての中でトルボットの”自然の鉛筆”が”写真術”がもつ特性とともにわかりやすく説明されているのを読んで、原本にあたってみたく思っていたところ、どれも絶版。よくよく調べるとこのリイシューにいきつきました。オリジナルは1844年から46年に出版され、オリジナルの24点のカロタイプがつけられたものとのこと。
The Pencil of Nature - Wikipedia, the free encyclopedia
William Fox Talbot - Wikipedia, the free encyclopedia
GLASGOW UNIVERSITY LIBRARY:Special Collection
「自然の鉛筆論」(前川修 著)PDF

またこのサイト(Project Gutenberg)では「自然の鉛筆」がPDFePUB形式でダウンロードできるようになっています。

The Pencil of Nature by William Henry Fox Talbot - Free Ebook
The Pencil of Nature (English Edition) 電子書籍: William Henry Fox Talbot: Kindle Store 
The Pencil of Nature: Original Photographs: History of Photography