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8.07.2010

Judith Joy Ross と Richard Avedonのポートレート

(C)YU Art Gallery

Judith Joy Ross (b.1946,Pennsylvania,U.S.A.)
オーセンティックに8X10の大型カメラ、白黒フィルムで正面から撮影したアメリカのポートレート写真家。

Wikipediaにあった彼女のコメントが彼女の写真を十分言い表しているでしょう。
Ross has said: "I basically think people want to be recognized and appreciated, and when you put a big camera in front of them, they think, 'I must be interesting.' Meanwhile, I'm struggling, tripping over the tripod and putting a goofy black cloth on my head. Because we're both vulnerable, that person gives me more of themselves."(Wikipedia)

「人々はみんな存在を知ってもらいたいと思っているし、認めてもらいたいと思っている。彼らの前に大きなカメラを置くと、”私(被写体自身)は興味深い人間に違いない”

その一方で私はといえば必死になって三脚に乗りかかって、変な黒い布を頭の上に乗っけてる。私と被写体どちらも儚く傷つきやすい(vulnerable)ものだから、人は私により彼ら自身のことを見せてくれるの。」

PACE/MCGILL Gallery
Photography-Now:Judith Joy Ross
Steidl:Living with War - Portraits

これらの写真は、写真家自身がそのような被写体の姿をとらえよう意図して撮影していること。写真とはそういうものであり、意図しなければ写らない。

7.27.2010

Aperture Foundation Ultimate Summer Sale プリントのサマーセール中

(C)Aperture 200: Fall 2010

Apertureは、Wikipediaによるとアンセル・アダムス,マイナー・ホワイト,ドロシア・ラングなど何人かのメンバーによって1952年つくられたNPOだそう。

現在Aperture Foundationで書籍は30パーセントオフ。プリントは15パーセントオフで夏のセール中。銀塩のプリントは750ドル以下から買うことができ、値は勿論張るがポートフォリオも販売されている。

Aperture Foundation Official

機関紙を出して広報し、自らのギャラリーでの展示と平行して、展覧会は世界中を巡回し、コンペティションの企画とかなりの巨大組織を実現できるのも、やはり寄付金がモノをいっているのが想像できます。
日本の場合、源泉徴収される人口が圧倒的に多いので法改正など期待しないで日本でのやり方を探ってやっていくしかなさそうです。

7.12.2010

Contraband (Steidl) Taryn Simon アメリカの税関で没収されたモノの写真集


© photo of Taryn Simon from interview spread in foam magazine, No. 12 Talent issue (via;HotShoe)


An American Index Of The Hidden And Unfamiliar という写真集が話題となったTaryn Simonの新しい作品集 ”Contraband” (禁制品)はSteidlから今年の秋頃に発売されます。

JFK空港に2009年の11月16日から20日まで泊り込んで24時間税関で没収されたアメックスの偽T/C ヘロイン 違法なメキシコのパスポート 鹿のペニス キューバーの葉巻 海賊版のディズニーのDVD ステロイド パチモノのヴィトンなどなどを白バックで撮影し1000以上ある写真の中からセレクトした写真で構成されています。白バックで撮影されたモノ自体にアメリカという国を語らせることを目的としていることが読み取れる。

Contraband...そういえば彼女の作品集  An American Index Of The Hidden And Unfamiliarでも税関で没収され腐りかけている果物などの写真 が収録されていました。撮影して撮った写真から着想を得て次の作品へとうまく展開していっています。

Steidl : Contraband
TED:Taryn Simon photographs secret sites (Taryn Simonのレクチャー)
p.a.r.k: 近くにある秘境の写真 - Taryn Simon: An American Index of ...

Amazon.co.jp : Contraband
An American Index Of The Hidden And Unfamiliar
Taryn Simon - a Living Man Declared Dead

6.22.2010

Shannon Ebner - The Sun As Error

(C)Shannon Ebner/Wallis Annenberg

1971年生まれのアメリカ人のアーティストのモノグラフのブックデザインが昨年海外で話題になっていました。確かにレイアウトはみるべきものがありそうなので以下ご覧ください。

Review: “The Sun as Error” by Shannon Ebner(本のレビュー)
Photo-eye Magazine:The_Sun_As_Error.cfm

アスタリスク(*)がシンボルとして使われていたり、文字、写真が混在しレイアウトされています。

Wallspace:http://www.wallspacegallery.com/gallery.html?id=57(展示風景)
ALTMAN SIEGEL:Shannon Ebner(PDF-プロフィール)

Artforum:Shannon Ebner

手元に本がなくなんとも書けないこと、またこのアーティストのことを理解していないので浅いポストとなりましたが、以上参照したリンクだけまとめておきます。海外からの書籍の通販で購入可能。それなりに送料がかかります。

Photo-eye Bookstore:The Sun As Error.

5.25.2010

現代写真論 (晶文社) シャーロット・コットン (著) Charlotte Cotton コンテンポラリーアートとしての写真のゆくえ


(C)晶文社

The Photograph As Contemporary Art (World of Art)の表紙が代わって翻訳がでました。著者のCharlotte Cottonは錚々たる経験を積んできている著名なキューレター。Nick KnightのSHOWstudioにプロフィールがあります。LACMAで二年間キューレターとして重要な役割を担い、現在はロンドンに戻ってNational Media Museumに在籍。ロンドンのThe Photographers' Gallery, the Victoria and Albert Museum(V&A)という重要な美術館、ギャラリーにおいて重要な展示を担当しています。他にファッションフォトグラフの著作が他に数冊。ギィ・ブルダン、一番右側のケイトモスの表紙のものはコリーヌ・デイという写真家のファッションフォトの歴史にとってとても重要な写真。『現代写真論』は評論というよりは、写真というメディアを使って表現活動を行っているアーティストをおおまかな便宜上の分類に従って紹介するもので、多くの作家を紹介していること、分類がそもそも難しいこともあって散漫な印象も受けますが、アートフォトとはどういうものかの概要を掴むには最適な本だといえます。

Übungsplatz〔練習場〕;Charlotte Cotton "The Photograph As Contemporary Art" (Thames & Hudson)
Los Angels Times:LACMA photo curator Charlotte Cotton returns to England

Amazon.co.jp : 現代写真論
写真は魔術: アート・フォトグラフィーの未来形
The Photograph As Contemporary Art (World of Art)
写真空間〈3〉特集 レクチャー写真論!
Imperfect Beauty
写真の歴史 (「知の再発見」双書) クエンティン バジャック

5.24.2010

New York Photo Festival 2010 ニューヨーク フォトフェスティバル

(C)Power House Books

2007年にはじまったNYPHも3年目を迎えました。

以下New York Photo Awardsをちょっと拝見。
Interim Award #1:Samantha Goldfien
Interim Award #2:Ashley Gilbertson
Interim Award #3:BAPTISTE LIGNEL & JOHNNY MILLER

といっても賞が最も重要というわけではなく、フェスティバルですから、そのほかにもルー・リードがキュレーションしたスライドショウや3D(セカンドライフのように)でフェスを疑似体験、アーカイブを楽しく見ることができる工夫がされていたり、写真の様々なブログ(日本でもよく知られたamerican suburb Xなど)のリストもあったり、前年までのNYPHの記録などなど、オフィシャルサイト内の情報はかなりの量です。

Hidden Books, Hidden Stories: A Slideshow curated by Lou Reed

お金も人材も政治も握っているアメリカはここでも徹底的にやっていて、日本もあらゆる事情を度外視して結束して同じ規模のもの...とはさすがに難しいですが、ここから写真は投資すればいよいよお金になる、”The Future of Contemporary Photography”とあるようにヴィンテージだけでなく”Contemporary”な写真も儲かるものとなってきたということは見て取れます。

アーティストはあらゆることを度外視し自分の内面の声に耳を傾け制作し、売る側のギャラリーはアーティストに応えよりよく売ることに専念できる環境を共同でインフラとして構築し市場を活性化させるという、きれいごとではないのですが、不動産ディーラーが、アートのコレクションをディーリングしていることが頻繁にあると聞くように、それはともに近い文法なのかもしれません。

http://www.nyphotofestival.com/site/
http://en.wikipedia.org/wiki/New_York_Photo_Festival


日本の場合は、名だたるカメラメーカーを多く抱えているため、写真を取り巻く環境はカメラを売るために雑誌があり、フェアがあり、写真愛好者を抱えてきましたが、アウトプットされた写真達は、大きな収益をあげるものとして成長しつつあるようです。

5.23.2010

Free Download : Do Over Theo Parrish, DEMF and TAICOCLUB 2010 音楽を楽しむ環境について


Beat Junkies!

2005年以降Los Angelsで夏の期間に行われているイベンThe Do-Over。まだ回りにはいったことがある人がいませんが話題になっている小規模のイベント。西海岸人脈Stones Throwが中心となって参加しているようです。


A-Trak

過去にTheo Parrishも2009年に出演。そのときのミックスが公開されています。
via:The Do-Over What'cha Wanna Do?
http://www.zshare.net/audio/67970011034f934e/ (part 1)
http://www.zshare.net/audio/67547285210fca02/ (part 2)



デトロイトのダンスミュージックで重要な位置にあるフェス・展示会のDEMFは今年は5月29日に。Juan Atkins (a.k.a. Model 500)はこれが終わってから日本のAutechre ,Claude Young との共演ライブにくるんですね。

DEMF iPhone Application(Free)

そしてそのオウテカなどが出演する海外でも良フェスティバルとして根付いてきたTAICOCLUB も間近です。タイコクラブは主催者がどんなフェスにしたいのか、その軸がぶれないでコントロールしているので、目当てのミュージシャンがでていなくても楽しめるフェス。RAW LIFEも忘れてはならないですね。

「GO!FESの惨状再び......」洋楽低迷と大物不足で夏フェス界に暗雲!?



こちらはニューヨークのMoMA PS1のデリックメイ(Derrick May) これは美術館のエントランスの階段をあがったところにターンテーブルを置いてやってるんですが、わざわざ櫓を組まなくても、豪華なライティングをしなくてもいいDJがいさえすれば十分楽しめることが改めてわかります。

5.21.2010

”William Eggleston: Democratic Camera”LACMA 10月 ”ウィリアム・エグルストン:パリ-京都”展 原美術館 6月



6月5日から原美術館でエグルストンの個展:”ウィリアム・エグルストン:パリ-京都”展が開催されます。

会期:2010年6月5日-8月22日
出品予定作品としてパリ102点(うち写真70点、ドローイング32点)京都から32点、ウィリアム・エグルストン・ガイドから7点、出品点数は変更の可能性がありますとのこと。(原美術館のウェブより)

京都もパリも、この生粋のメンフィス生まれの写真家のホームグラウンドから遠く離れているため、メインワークではないがそれなりに楽しめそう。ただ、ここはウィリアム・エグルストン・ガイドからのプリント7点(おそらくこってり色の乗っかったダイトランスファーによるもの)を楽しみにしたいと思います。

(C)Whitney Museum of American Art

LACMA(Los Angeles County Museum of Art)に於いて今年の10月には”William Eggleston: Democratic Camera, Photographs and Video, 1961-2008” -先だってWhitney Museum of American Artで開催されたウィリアムエグルストンの大規模な回顧展が巡回。

アメリカでは2008年からRobert Frank以降を代表するアメリカ人二人Garry WinograndとLee Friedlanderの回顧展が続き、写真史に沿って今度はエグルストンということでアメリカの写真史を検証する作業、また教育として写真史を順番になぞっていく企画が意図されているようにみえます。

熱狂的なファンは10月にロスアンジェルスへ。

Amazon.co.jp : William Eggleston: Paris
William Eggleston's Guide
William Eggleston 2 1/4

どうしても世界の写真史をなぞるときに、世界中からモノや人が集まって作られてきたアメリカの写真史を基にしてたどっていくことで流れが見やすくなることは事実。日本の写真史も多かれ少なかれ(Provokeのような例外もありながら)世界からの影響を見て取れる為、このブログではアメリカの1950年代から1990年くらいまでの写真家の話が多くなっています。

ただ確実に変わりつつあるのが、アメリカという地理的なものに拠らなくても多様な作品がこの数年で見ることができるようになったということ、制作のスタイルもさらに多様になったことで、2040年頃に2010年を振り返った時、アートとしての写真、また変貌し始めているドキュメンタリ写真の作品が全体としても個別としてもどんな姿をしているのかひとつ楽しみをもちはじめています。

4.27.2010

Starburst: Color Photography in America 1970-1980 カラー写真回顧

(C)Hatje Cantz

Jan Groover, Joel Meyerowitz, Stephen Shore, William Eggleston, Mitch Epstein などの作品が収録されたカタログ。なぜ今、カラー写真を回顧するのか。昨年アメリカの美術館でLee FriedlanderGarry Winogrand の再検証がなされNew Topographicsの次に広義のカラー写真表現の検証ということでしょうか。

Cincinnati Art Museum | Starburst: Color Photography in America ...
Citybeat.com : Starburst (Review)
The Black Harbor || STARBURST!


(C)Hatje Cantz

日本ではこの展示を見ることができませんが、カタログは入手可能。光沢のある紙に図版も多く掲載されていて、なかなかいい本です。

Starburst: Color Photography in America, 1970-1980

Amazon.co.jp : Starburst: Color Photography in America 1970-1980
The Dusseldorf School of Photography
William Eggleston's Guide

4.12.2010

Henri Cartier-Bresson: The Modern Century

(C)Museum of Modern Art

NYCのMoMAではブレッソンの回顧展。かなり点数が多い模様。展覧会のサイトも見やすくよく出来ています。

いつもの展覧会のタイミングで出版されるカタログも発売予定。400ページ弱あるかなり分厚い本。
Amazon:Henri Cartier-Bresson: The Modern Century

3.30.2010

The Nature of Photographs Stephen Shore スティーブンショア


(C)Phaidon Press

アメリカの写真家、そして今、学校で教鞭もとるスティーブンショアがまとめた「写真とは?」という問いに対して丁寧にその構造を説明している良い本。

デザイン会社のウェブから書籍の内容のサンプル
no.1/no.2

公開されているレジメ(PDFファイル)でその内容が網羅されていますがこの本では美しい図録を具体的な例としてレジメの内容が展開されています。
そのレジュメを見ると、まず

・全ての写真は機械によるプロセスの産物である
・写真を”写真”として成立させる資質(qualities)を規定する

ことを前提としている。特筆すべきは、前半で”物理的な条件”として写真を成立させる要素を丁寧に説明していること。アサヒカメラで、写真家のホンマタカシさんも触れていて、それに対する氏の著作の”たのしい写真―よい子のための写真教室”とワークショップがそれに対する反応と実践といえそうです。

残念ながら今は英語版だけ。辞書があればある程度理解はできるかと思います。

Amazon.co.jp : The Nature of Photographs

3.20.2010

Marina Abramović: The Artist Is Present マリーナ・アブラモビッチ MoMAでのパフォーマンス

ユーゴスラヴィアの芸術家 マリーナ・アブラモビッチのパフォーマンスが三月いっぱいMoMAで。身体への意識を極限まで集中し、また身体を通して表現するマリーナ・アブラモビッチの作品は重いボディブローのように効きますが、現在開催中のパフォーマンスは沈黙。来場者と一対一で見つめあうというもの。

ヴェリタ:MoMAでマリーナ・アブラモビッチが肉体の限界に挑む




現在の様子のライブビデオ:The Artist Is Present



イギリスのTateギャラリーのインタビュー。

MoMA:Marina Abramović: The Artist Is Present
March 14–May 31, 2010
Wikipedia:Marina Abramović

パフォーマンスアートや舞踏といった身体を使った芸術を見るときに圧倒されながら、あちらには行けない、引っ張られまいと見る立場であることを意識してストップをかけることってありませんか?

2.02.2010

the Collection of Lenore Doolan and Harold Morris.. あるカップルの所持品のオークションカタログ- レノアとハロルドのコレクション


またユニークなフォトブックの話題。アメリカの写真家アレックソスが彼とその仲間のリトルプレスLBMのブログ(via:Alec Soth’s Top 10 Photobooks of 2009)で昨年気になった写真集10冊をあげていたうちの一冊..Important Artifacts and Personal Property from the Collection of Lenore Doolan and Harold Morris, Including Books, Street Fashion, and Jewelry by Leanne Shaptonと異常に長いタイトルの本。

ソスによる説明によると、”フィクション/グラフィックノベル”にカテゴライズされる本、しかしこれは”フォトナレイティブ(Photo Narrative)”にカテゴライズされるべき本だとある。撮影はJason FulfordとMichael Schmellingによるもの。説明を読んだだけでは全くわからないけど、比較的安い本なので思い切って購入してみた。さっそく届いて見てみると、小ぶりのオークションカタログのよう。オークション会社らしき名前も書かれていて中を開くと生々しいあるカップルの持ち物がもっていたと思われる本や写真、ブラジャーや恋人のためにつくったようなミックスCDまで。その他の説明は一切かかれていません。



ハリウッドセレブのゴシップ & ハリウッドニュース:ブラピとナタリー・ポートマンの共演
じゅり好み☆:ナタリーと共演?マイダーリン☆


著者はLeanne Shaptonというニューヨークを拠点とするカナダ人のアートディレクター。彼女は自分の出版社ももっていてイラストもイカしてます。


架空のものを集めて、あたかも存在したかのようなあるカップルをモノだけで描く。所有するものはその所有者をいかに雄弁に物語るか。単純なアイデアながらも本で小さな世界をよく表現しています。所持品の中でコマーシャルのカメラマンが使う中判カメラの八ッセルブラッド、それにデュアンマイケルス、シンディーシャーマンの写真集もでてきます。

Alec Soth’s Top 10 Photobooks of 2009
Leanne Shapton Official
p.a.r.k: Where We Live: Photographs of America from the Berman ...
La Collection De Photographie D'agnès b アニエスb.の写真コレクション

Amazon.co.jp : Important Artifacts and Personal Property from the Collection of Lenore Doolan and Harold Morris, Including Books, Street Fashion, and Jewelry
Album: The Portraits of Duane Michals 1958-1988
The Complete Untitled Film Stills: He Complete Untitled Film Stills

1.21.2010

Mitchell "Mitch" Epstein (ミッチエプスタイン) "American Power"





Mitchell "Mitch" Epstein (Wikipedia)は1952年生まれのアメリカの写真家。Cooper Union 校に在籍中はゲイリーウィノグランドから写真を学んでいる。

Mitch Epstein Official Web Site

American Power - アメリカの国土でエネルギー(電力)が生産され消費されている在り方を追った、エネルギーに依存して生活するアメリカ人の生活を考察した風景写真のシリーズ。”Family Business”(2000-2003)は、彼の父親が家業であった家具屋を終えた時の写真をまとめたシリーズ。10年間アメリカを離れヴェトナムやインドで写真を撮っていたが、アメリカに戻って制作した "The City" と前記の2つのシリーズで "American Trilogy"(アメリカ三部作)としています。

消費、家族、アメリカ(の性質)といったところがこの写真家のテーマの軸と考えられます。



Recreation ですでに見ごたえのある作品を作っていますが、それに飽き足らなかったのかインドやヴェトナムで制作が続き、写真は美しいのですが深くその文化について洞察がみられるものとは言い難いものでしたが、アメリカ、ニューヨークに戻り、自分の国の文化を一歩引いたところでみて、それが American Power で、テーマ性をもった壮大な作品に結実しています。

W H A T I S A M E R I C A N P O W E R?
彼のコラボレーターである妻のSusan Bell とともに"to inspire and educate people about environmental issues" (環境問題を啓発するために)"What is American Power?" という問いを広く投げかけ、その問いの回答がウェブで公開されています。

Amazon.co.jp : American Power
Mitch Epstein, Recreation: American Photographs 1973-1988
Mitch Epstein: Family Business
Mitch Epstein: State of the Union
Mitch Epstein: Work

12.11.2009

GIL SCOTT-HERON(ギル・スコット-ヘロン) AND BRIAN JACKSON - BRIDGES



77年作!突然のリイシューです。

セオパリッシュが挙げた ”簡単に手に入るのに見過ごされている名曲 ”でも”racetrack in france”が取り上げられていましたが、これがまた日本では簡単に手に入らなかった名盤”Bridges”です。他にも"HELLO SUNDAY!HELLO ROAD!""95 SOUTH""などの名曲が収録。



12.01.2009

10.26.2009

Robert Frank "Polaroids"(Steidl) ロバートフランク新刊 ”ポラロイド”


(C)Steidl

ドイツの凝った装丁をする私も大好きな出版社Steidlから50年代から60年代後半にかけてアメリカ写真のひとつの潮流を作った写真家、ロバートフランク。彼のまた凝った写真集が11月に発売。

Robert Frank - Polaroids

ポラロイド写真を方眼のノートに貼ったような同じくSteidlの凝った印刷の"Robert Frank: Come Again"も本の装丁好きにはたまらない本です。(写真はベイルートの廃墟の写真)

10.09.2009

追悼:アーヴィンペン/アービングペン Irving Penn



写真家アービング・ペンさん死去 ヴォーグ表紙手がける
どうせネットのニュースは時間が経つと消されてしまうので以下asahi.comより転載いたしました

”米国の写真家アービング・ペンさんが7日、ニューヨークの自宅で死去した。92歳。ファッション誌「ヴォーグ」の表紙を手がけるなど、20世紀で最も影響力のある写真家として知られた。死因は明らかにされていない。複数の米メディアが伝えた。
 ニュージャージー州出身。画家を目指したが、雑誌のデザイナーに。たまたま撮った写真が43年のヴォーグの表紙を飾り、評価を受ける。簡素な構図を発展させて、写真を芸術の領域に引き上げたといわれる。”(ニューヨーク)(asahi.com)



この見出しだけ見るとファッション雑誌の表紙を撮っていたあるひとりの写真家の訃報となるが、彼の果たした(商業)写真への貢献は大きかった。ピカソをはじめ歴史に名を残す有名人の数々のポートレート、軟らかく拡散させた光の下のポートレート、路上で見つけたタバコの吸殻も写真に置き換えることでその造形の価値を伝えたシリーズ、冷凍食品をも意味を取り払って形だけど構築し抽象的な美を見せたスティルライフのシリーズなど、多くの重要な作品を生み出しました。

(C) Irving Penn/Street Findings/New York,1999

ニューヨークのMoMAでまとまった数の彼のプリントを見たことがあるのですが、それはとても美しく圧倒されたものでした。ネットではここで写真をタップリ見ることができます。
Master of Photography:Irving Penn



10月13日発売予定の本、Irving Penn: Small Tradesと2010年2月発売予定のIrving Penn Portraitsを見つけましたが、生前に企画されていたということは本人が編集をチェックした最後の二冊となることでしょう。

地上の僕らは、あなたのことをずっと忘れないでいます。ご冥福をお祈りいたします。

Irving Penn: Small Trades
Still Life: Irving Penn Photographs 1938-2000
アーヴィング・ペン 三宅一生の仕事への視点
FLOWERS

6.20.2009

Matthew Monteith: Czech Eden(マシューモンティス)

1974年生まれニューヨーカーMatthew Monteith(マシューモンティス)
アメリカを中心に数々のマガジンワークを中心に活躍中。 2007年5月に"Czech Eden"とタイトルをつけた写真集をApertureから刊行。

ホームページでいくつかの彼の写真が見ることができるが、鏡(mirrors)、テレビ(television)、そして車(cars)とタイトルされたそのシリーズを見るとその乾いた視線のせいか、それとも物自体がそれぞれ勝手にバラバラに放っている存在なのか、その写真にドキリとさせられる。これからさらにもっと評価され、そして期待される写真家である。洋書、日本版(赤々舎)どちらも入手可能で、表紙と日本語の解説の有り無しの違いである。

CZECH EDEN チェコ・エデン