4.23.2013

Things Come Apart: A Teardown Manual for Modern Living 身の回りにあるものの分解写真




商業写真家が、カメラや電話、チェーンソー、ラジオなど身の回りにあるモノを分解して、レイアウトして撮影した写真。画像を下のウェブサイトで見るのが一番早い。

Novidadinhas: Disassembly | Blog da Tarde
TODD MCLELLAN MOTION/STILLS INC

最初は分解したパーツをバランスよく並べていたのが、クルマの広告なども撮っている技術のあるフォトグラファーなので次第にZ軸(奥行き)にもパーツを組んでいる。パーツごと撮影して画像処理のソフトウェアで組んでいるのか、あるいは実際パーツを接着剤で組んで細かいパーツは合成しているのかわからないがとんでもない手間。

この写真の何が面白いのかと考えたが、第一にパーツが見せる線や曲線と素材の表面が見せるテクスチャー。次に、一瞬それが元々なんであったか部品の中から情報を拾って推測する脳の運動を促すという点だろうか。 

他にもピアノを落として粉々にしたりもしている。思いついたことはやろうということだろう。
 
Amazon.co.jp : Things Come Apart: A Teardown Manual for Modern Living

4.20.2013

Francis Alys フランシス アリス 展 東京都現代美術館 Tokyo Large Show 川に着く前に橋を渡るな



作品の映像はアーティストのサイトで公開されているが、東京展ではアーティストの活動を伝えるものとしてドキュメンタリ映像も上映。映像以外にもインスタレーション、ペインティング、写真作品が展示されている。MoMA PS1(2011)とTate Modern(2010)での回顧展に続いて、日本での大規模な、ベルギー生まれ世界を歩き続け制作するアーティスト、フランシス・アレスのショウ。6月9日まで第一期。6月29日からは展示が入れ替えされ、9月8日まで第二期として「ジブラルタル海峡編」




このアーティストの作品について、Poetic(詩的な、ロマンチックな) と表されたり、Political(政治的)  という言葉がよく使われているようですが、それとともに貧しい国で制作することに付随する、そこに住むひとやその場所から搾取することになるかもしれないという懸念に対して、制作を依頼する職人や、プロジェクトに参加するボランティアがアーティストの手を離れ、それぞれ参加者にも価値や意味を投げかけるという点がドキュメンタリ (会場で上映 - Wide details, on the traces of Francis Alÿs) で語られており、これも重要な要素と捉えました。




Francis Alÿs: a story of deception - Tate Modern's best yet - Telegraph
Francis Alys / Interview - YouTube 
Parkett Vol. 69(PDF) 
Frieze Magazine | Archive | Archive | Francis Alys

二期の「ジブラルタル海峡編」では、”絵、ドローイング、写真、映像を使って同じ事を述べて、それぞれがひとつのシナリオに沿って、それ自体で成立しながら最終的に別のところに着地するもの。写真で伝えることができないものも、絵で伝えることができるし、絵で伝えられてなくても映像やテキストで伝えることができる、などそういったもの”になるのだそう。第二期も楽しみである。

Replaying people's actions with a twist | Culture | The Japan Times
.fatale|インタビュー

日本語で書かれた書籍は今のところ無いが、青幻舎からカタログが刊行されるとのこと。

 

4.18.2013

Anna and Bernhard Blume ドイツ アヴァンギャルド 写真 Staged セットアップ Bernhard Johannes und Anna Blume




有名なベッヒャー夫妻と同じドイツのカップル。デュッセルドルフ生まれのAnnaと、ドルトムントで生まれたBenhardのアヴァンギャルドな写真作品。多くは衣装もセットも自分達で制作し自分達を撮影した大判の白黒写真をシーケンスにして組んだ作品。具体的な意味のある様子が描かれているのではなく、飛んだり落ちたり、スラップスティックなコメディのようだが、意味はなくてもなかなかかっこよくて、制作の様子を想像するといかにも楽しそうな作品。

両者ともに学校でアートや哲学を教えていた。20119月にBernhard Blumeが74歳で逝去。

Anna and Bernhard Blume on artnet
Anna and Bernhard Blume - Wikipedia, the free encyclopedia 
Deutsche Börse Group - Anna and Bernhard Blume 
MoMA | The Collection | Anna Blume (German, born 1937) 
Anna & Bernhard Blume!! | Stephen Sheffield Has Something to Show You 
Anna and Bernhard Blume at Hamburger Bahnhof
Blog Baby: Anna and Bernhard Blume

Amazon.co.jp : SX-70: Polaroids et collages de Polaroids 1975-2000
 
Deconstructiv: Bilder Aus Dem Wirklichen Leben / Images From Real Life
Anna & Bernhard Blume: Das Gluck Ist Ohne Pardon/Joy Knows No Mercy : Polaroids

4.16.2013

Ray K. Metzker 線 Lines 写真家 白黒 コントラスト レイ メッカー レイ・メツカー



Ray K. Metzker - City stills from Matej Sitar on Vimeo


Ray K. Metzker (1931-2014) 

the Institute of Design in Chicago.では、ハリーキャラハンと、アーロンシスキンドの生徒だったアメリカの写真家。(石元泰博氏もキャラハンの生徒だったが10歳違うので接点はあるかわからないが)シカゴ・バウハウスの影響は受けている。

スナップショットの作品もあるが、ここに取り上げたのは被写体の記号的な意味には興味なく、ただただ事物がつくる線に注目して、構成して見せたモノクロの作品。線に酔うほど無数の線がイメージの上を横切っている。写真集はいずれも絶版で高値。部数が少なく刷られてコレクターズアイテムになったように思えないが、過去にApertureや、Steidl、カンザスシティの Nelson-Atkins Museum of Art なんかがモノグラフを出版している。

ちなみにこのまとめを作ったのが2013年だが、2014年10月に83歳で亡くなった。


Ray K. Metzker: Six decades of photography innovation (PHOTOS).
Ray K. Metzker : Laurence Miller Gallery
Ray K. Metzker: Port Authority (1990.1083) | Heilbrunn Timeline of Art Histor 
FIFTY ONE Fine Art Photography Gallery - Artists
The Photography of Ray K. Metzker and the Institute of Design (Getty Center Exhibitions)
MoMA | The Collection | Ray K. Metzker (American, born 1931)

PGI - 2016.8.24-10.29: レイ・メツカー作品展「Informed by Light 1957-1968」

Amazon.co.jp : The Photographs of Ray K. Metzker (Nelson-Atkins Museum of Art)
Ray K. Metzker: Light Lines
Aaron Siskind
Ray K. Metzker: Landscapes (Aperture Monograph)