Lucas Foglia
2012年の A Natural Order が話題となったアメリカ・ニューヨーク州の小さな農家で育った写真家の新作展がロンドンのマイケルホッペンギャラリーで。2006年から2013年の間にアメリカ国内を旅して撮り集めた写真が中心。
写真作品の多くがニューヨークなど大都市で撮られた50年代 (William Klein "New York"が1956年)。Lee Friedlander はRobert Frankに触発され都市から北アメリカの深部に旅し、都市から離れた自然に囲まれた自分の生活範囲の中で、自分と自分の家族に目を注意深く向けたSally Mann や Emmet Gowin 近年ではStephen Shoreや Joel Sternfeld に倣いミシシッピー川に沿って旅をして編んだ "Sleeping by the Mississippi" また都市と、そこから離れて暮らすことのその距離から生きることのスタイルについての印象を形にした Broken Manual Mark Steinmetz のアトランタ3部作 Mike Brodie の放浪写真の人気。そしてLucas Foglia の A Natural OrderのWilderness に集まる関心。都市での生活から、都市の写真家の内奥との往来、そして都市への重力が弱まり、周縁へ写真家を引っ張る力が強まっているようにも思える。圧倒的に広大な国土をもつアメリカ合衆国と比較にはならないが、日本の都市と地方とのあり方、旅をして得る風景はいまだフロンティアであり得るのかなど様々な考察をさそう。
Lucas Foglia | Frontcountry
Nazraeli Press, Books on the Fine and Applied Arts
LUCAS FOGLIA : A NATURAL ORDER
p.a.r.k.: Raymond Meeks レイモンド・ミークス ポートランド在住の写真家
Amazon.co.jp : Sleeping by the Mississippi: Alec Soth
Friedlander
Emmet Gowin
A Period of Juvenile Prosperity