元々グレイハウンド(Greyhound)というアメリカの都市を繋ぐ高速バスのターミナルでストレートなポートレートを撮影していた写真家の大きな飛躍 "Touching Strangers"。別々の写真に収まっていた見ず知らずの他人同士が手を繋ぐ、肩を組むなど長年よく知っている友人や家族のように一枚の写真に写ることでこうも見え方が変わるのか。
年齢や人種、性別や、貧富の差、宗教的なバックグランウンドなどの違い。それぞれ立場は揺るがないもので、それぞれが永遠にかかわりを持たないのではないかということに、いやそうではないと、希望すら作品の鑑賞者に、また参加した被写体自身の表情に感じさせる風変わりで、ある種の美が生じた作品。このような形のポートレートはありそうでなかったが、写真の嘘をつくのが上手い特性をうまく使った事例だと思う。Apertureから写真集が発売される。
Touching Strangers by Richard Renaldi - Imgur
Richard Renaldi
Touching Strangers: Photographs by Richard Renaldi by Aperture Foundation — Kickstarter
Amazon.co.jp : Richard Renaldi Touching Strangers: Touching Strangers
Disfarmer
Stranger Passing
August Sander: Citizens of the 20th Century: Portrait Photographs 1892-1952