写真史で記念碑的な アンリ・カルティエ = ブレッソンの"The Decisive Moment "(Images à la Sauvette) (日本語では決定的瞬間) がSteidlが再版する。
The Decisive Moment - Henri Cartier-Bresson - Steidl Verlag
Henri Cartier-Bresson | Art and design | The Guardian
Magnum Photos
画家のマチスが装丁した写真集。その初版は本にもかかわらず現在2000ドルほどで取引されているが、今回のSteidl版は1952年以来の再版となる。
1960年代より以前の古い写真集を入手して見ると、"写真が主役の"「写真集」とは雰囲気が異なって、詩人の詩や文章に添えられた挿絵として写真が扱われていることがよくみられる。それがこのカルティエ = ブレッソンの写真集では各写真には番号だけが添えられ、写真が作品として存在しているところに作家の意志が顕れている。
この作品集についての情報はネットや書籍に多くの研究や記事や説明があるのでそちらを参考に。とくに 今橋映子氏の論考をまとめた新書 「フォトリテラシー」 第一章"決定的瞬間という罠"を特にお勧めする。カルティエ = ブレッソンについてつくられた神話を一度解いて、この写真家の輪郭に改めてフォーカスしなおしたかのように鮮やか。
MoMA | Interactives | Exhibitions | 2010 | Henri Cartier-Bresson
Amazon.co.jp : The Decisive Moment
フォト・リテラシー―報道写真と読む倫理 (中公新書)