4.25.2015

Eszter Balint エスター・バリント ストレンジャー・ザン・パラダイス エヴァ


ジャームッシュのStranger Than Paradise のブタベストから突然やってくる主人公のいとこエヴァ役 Eszter Balint は女優としてその後目立った活動はないが、ミュージシャンとしての活動が続いている。"Mud"(2004)は批評家のレビューをみるとなかなかの高評価を得ている。なんと Marc RibotCeramic Dogの過去のツアーにもバイオリンで参加している。マーク・リボウといえばトム・ウェイツ。トムウェイツといえばジャームッシュ。下のウェブサイトで試聴ができる。

Eszter Balint (sounds)
エスター・バリント - Wikipedia
ストレンジャー・ザン・パラダイス - Wikipedia

Amazon.co.jp : Mud
Mud
ストレンジャー・ザン・パラダイス [Blu-ray]

4.21.2015

My Secret World Sarah Records Documentary サラレコーズ ドキュメンタリ Twee Pop


My Secret World Sarah Records Documentary
Twee Pop | Significant Albums, Artists and Songs | AllMusic

1987-1995にイギリスの地方都市Bristolを拠点として、メジャーの資本によるものではなく数人の個人によって運営されたレコードレーベルの活動を回顧するドキュメンタリが制作され上映中。日本ではギターポップという名称で、アメリカではTwee Popなどとカテゴライズされたバンドのレコードを7インチ盤でリリースしたことでよく知られている。

それらの音楽は60年代のキャッチーなポップス "Bubblegum Pop"を音楽的な基調とするためどれも聴き易いのに対して、このドキュメンタリでは、レーベルの活動の根には、反商業主義であることのアクティビズムや、「音楽は人生に影響し、生きることの意味を示すもの」といった瑞々しい姿勢を伝える意思があったことを取り上げている。

Bristol (日本にあてはめると、東京に対して仙台、静岡、新潟)といえば、Massive Attack, Portishead, The Wild Bunch, Pop Groupなど多くのミュージシャンやグラフィティライターのBanksy がでているが、ロンドン(大資本)に対する距離をハンデとしながらそれが独自の音楽文化の発展につながった一つの要素ともいえるだろう。

「誰々とバンドを結成してインディーズで活動。翌年メジャーデビューした..」 といったバイオグラフィーを見たときに、それをかっこいいと思うのか思わないか、世代によって捉え方は異なるだろうが、このSarah Recordsに対する印象も異なったものにはなる。

Sarah Records - Sarah Records

Cherry Red Records | The home of Cherry Red & associated labels.
チェリーレッド・レコード - Wikipedia

Amazon.co.jp : Untouched
ザ・ビギニング・アンド・ジ・エンド
All of the Stars (Dig)
Le Jardin De Heavenly

4.09.2015

Robert Adams 写真集 To Make It Home: Photographs of the American West ロバート・アダムス





アメリカの写真家 ロバート・アダムスの写真集で一冊挙げるとするならばこの本を薦める。89年のThe Philadelphia Museum of Artでのキャリア前半を振り返った回顧展の際にApertureから出版された写真集。初期のいくつかのシリーズが網羅されている。

ロバート・アダムスについて、75年のNew Topographics 展に取り上げられた写真家で、アメリカの西部の風景が変えられていくさま、man-altered place を撮っているなど、プロフィールとして出てくるのだが、日本に生活しているとアメリカの西部(West)やこの写真家の作品を本当にどう捉えていいのか、わかりにくい。

ロバート・アダムスの前の世代にアンセル・アダムス(同じ苗字だが血縁関係にはない)やマイナーホワイトがいるが、手付かずのダイナミックな自然を、彼らが「これがアメリカだ」ということへのなにかしらの反発があったそうだが、それに対してルイス・ボルツやロバート・アダムスなど70年代に出てきた若いアーティスト達はどこにでもあるような生活環境、経済的、社会的な必要から生じた活動を通して現れた風景を、写真を使って提示したという、これまで読んできたものから私自身そんな解釈を得た。

自然環境が変わって人が住むことによって風景が変わっていく様子を撮っているといっても、いわゆるエコロジーの立場での告発ではなく、(ここからは上手く表現できる言葉が無いのだが) 人間が遠くに山が見える原野にたどりつき、そこに家を建て、道路をつくり、スーパーマーケットができ、云々。

山が造成され、マンションが建てられ、人が住んで新しい街となっていくのは、近年では私鉄沿線の郊外などでも見られるが、日本に住む私にとってそれらは自明にすぎて、ロバート・アダムスの写真に見られるようなその現象の驚きというか、着目に新鮮さを感じるのは難しいが、それにしても古典とされているものを見て何か社会を見る際に考えをめぐらす材料にはなるのかもしれない。

代表作とされるThe New West だけではよくわからなかっことが、連作で見ることでこの写真家がどこに向かって活動してきたのかわかりやすいものになっている。写真集がアマゾンでは少し高くなっているが、西ドイツ(ベルリンの壁が崩壊する前にまだあったころ)で印刷したもので(ハイライト飛び、シャドーの締まりもそこそこ)4,000円程度であればフェアな価格だと思うが。

Walker Evans: American Photographs  Robert Adamsがきて、アレックソスの Sleeping by the Mississippi と、ある一部のアメリカ写真の系譜といえるだろう。

この写真家はギャラリーが作品が活発に取引されているというよりは、Yale が一揃い収蔵して研究して展示するなど地味ながら社会として作品群が重要なものとして扱われているようだ。

(最後に...写真集が多く出版されているのだが、色んなものを撮っていて上のような解釈はある一部分の作品についてのもので、この写真家のことはやはり、まだわかりにくい。)

Robert Adams (photographer) - Wikipedia, the free encyclopedia
Robert Adams: the photographer who roved the prairies for 45 years | The Guardian
Robert Adams | The Place We Live | Yale University Art Gallery 
p a r k: Robert Adams 写真家 ロバートアダムス 動画

Amazon.co.jp : To Make It Home: Photographs of the American West
Why People Photograph: Selected Essays and Reviews

4.04.2015

Karl Blossfeldt カール・ブロスフェルト


植物の形を接写して撮影した植物学者であり、彫刻家 カール・ブロスフェルトの写真。植物の建築構造物としての形に着目して自作のカメラで撮影しプリントを制作している。人為的ではないこのような ”そこにある形”が写真によって気づかされるものとなる。


Photography: Soulcatcher Studio: Karl Blossfeldt: Urformen der Kunst: Photogravures
カール・ブロスフェルト - Wikipedia
Karl Blossfeldt Archiv
LA Noble Photographers Gallery, London | Artist » Karl Blossfeldt
aoyama masaru | arichives » 「自然の鉛筆」(全訳)解題
赤々舎 / AKAAKA on Twitter: "世界最古の写真集とも評される、トルボット著『自然の鉛筆』Murata.pdf(MoMA)

Amazon.co.jp : Karl Blossfeldt: The Complete Published Work (Taschen 25th Anniversary)