1.06.2016

Carolyn Drake Wild Pigeon 2007-13 写真 ウイグル自治区 ドキュメンタリとアート



自費出版の写真集の賞で一等賞をとったということで、気にして内容をみてみたが、手法とモチーフの選択に必然性があり、強い印象を受けた作品

中国の領内 ウイグル自治区 でアメリカ人の Carolyn Drakeによって制作された作品だが、中国におけるこの地域政治的な意味、また偶像崇拝やアートは存在してはならないムスリムを信仰する被写体となった地域の人々との間で、この写真家は、プリントした写真を使ってその地域の人々にコラージュしてもらったり、絵を描きこんでもらうことで、結果として、写真だけでは表現しきれないこの地域の複雑な状況を、作品に語らせることに成功している。

外国から来た人が撮影した写真(例えばわかりやすい例で、滞在の日数の少ない外国人によって撮られた日本で撮られた刺青や芸者の写真)が、それらは「撮影者の主観に基づいたものである」という前提があったとしても、ひとたび制作者の手を離れると、それらにあたかも客観的な情報が記録されているかのように受け手はとらえる。

この作品は、その被写体などその地域の人の手(写真は切り刻まれ組み合わされはするがその)プロセスを経ることで、、このプロジェクトの遂行者であるCarolyn Drake の視点、アチチュード(物事に対する向き合い方)が浮かび上がるもので、このような対象に対して、このようなアプローチがあるのかと、そのことにはっとさせられた。

Wild Pigeon by Carolyn Drake from The Anamorphosis Prize on Vimeo.



写真集についてひとつ残念に思ったのはSelf-Published(自費出版)で作られた写真集のため、アーティストが責任と選択の全権限をもつアーティストブックとしての性格が色濃くでているが、受け手に作品の意味、成立を伝えるという目的からすると、優れた横位置の写真が、何が写っているがわかりにくい不適切なサイズで小さく収まっていたり、縦のページ対してに収まっていたりで、 コラージュや書き込みの方にかなり目が奪われて、何がどう写っているのかを見せるのには不十分、それゆえにウェブで写真を見るまではこの作品の優れた点を見落としていた。

何がどう写っているのか色んな角度から長期間にわたってこの地域の人々や生活が撮られていて、写真だけみてもなかなか優れている(実際 マグナムの候補 nominee となっている

The Best Photobooks of 2015
 
40X50 Editions - Wild Pigeon by Carolyn Drake
Carolyn Drake - Wild Pigeon, Self published, 2014, Mississippi/Amsterdam
Wild Pigeon 2007-13 - Carolyn Drake Photography
キャロリン・ドレイク写真集 : CAROLYN DRAKE : WILD PIGEON

Carolyn Drake - Wikipedia, the free encyclopedia

Robert Cumming Aperture コンセプチュアルアート 写真


The Difficulties of Nonsense: Robert Cumming in Conversation with Sarah Bay Williams – Part 1/2 
from Aperture Foundation

写真を用いたコンセプチュアルアートのアーティストでよく目にするアメリカのアーティスト Robert Cumming だが、90年代以降モノグラフなど出版されることなく情報を得ることが出来なかったが、Apertureからまとまった180ページの書籍が出版される。

George Eastman House Robert Cumming Series
Robert Cumming Miller Yezerski Gallery :: Contemporary art in Boston, MA


Robert H. Cumming - Wikipedia, the free encyclopedia
Robert Cumming | International Center of Photography 
Cumming, Robert - Page 3 | The Art Institute of Chicago

Robert Cumming: The Difficulties of Nonsense

11.15.2015

Can Art Change the World? By JR アートは世界を変えることができるか



フランス出身のアーティスト JRについて、グラフィティにあるようなヴァンダリズムとサーカズムとストリートカルチャーといった魅力とも関わりが薄く、優れた写真作品にあるような視覚が認知に影響を及ぼすような図像の強さがなく、コンセプチュアルアートというには、ストレートなメッセージ性が強く実用的。趣味から随分外れるアーティストだったが、最近 このアーティストのInstagramを見ると、世界を旅行してその場所に関与して作品を制作し、展示し、なるほどこのアーティストのやろうとしていることが少しわかってきた。アートは世界を救うことができないが、人々の物事の見方を変えることができる。

Phaidonから初めてのアンソロジーとなる活動を振り返った書籍が発売されている。

エリス島についての映画の監督、プロデュースも。俳優のロバート・デニーロが出演
Ellis - Movie
Welcome to Inside Out Project | Inside Out Project

Amazon.co.jp : JR: Can Art Change the World?