アメリカ写真史の上で最も重要の写真家の一人といえるウォーカーエバンスのそれも
"American Photographs"がハードカバーで再版。この一冊の中に写真が生来もっている機能と要素、そのさまざまなスタイルが実現されています。ニューヨークのMoMAでの
記念碑的展覧会(1938)で作られたカタログの87ページのリマスター版。今の印刷でこの本がよみがえるのが楽しみです。同時にスタイケンと、FSA関連の書籍も発刊。ちなみに75周年記念の再版ということで、これは1938年のMoMAでのワンマンショーから今年で75年目(1931年の
John Becker Galleryでの展示が1回目の公での展示)この展示の一昨年には制作(撮影)のために、仲間であり作家の
ジェームズ・エイジー(James Rufus Agee)とともにアラバマの農家に8週間滞在しています。
1988年のFiftieth-Anniversary Editionからざっくり複写して適当に並べたもの。Duotone 印刷。
今回のは印刷も格段によくなってハードカバーなのでとてもいいものになりそう。
1926年に1年間パリに滞在し、つつましい生活をして小説家を志していたウォーカーエバンスはその後諦め(当時文学を志していた多くの人のようにジェームスジョイスに圧倒されたという話 - このあたりの経緯は下にある長い本人への1971年のインタビューにあります。)1928年から写真を始め独学で学び、さまざまな実験を経てすぐに頭角を現します。初期のコミッションワークとしてキューバで撮られたスナップがありますが、これは現地でのヘミングウェイとのツテ(憧れも)もあって実現したともいわれています。
1988年版(ペーパーバック)との比較。ページ番号の幅など文字の細かい調整。
うちの88年度版はヤケているので一概には言えないが新しいのは紙の白色度が高い。
グレー、シャドー、ハイライトの調整。コントラストがおさえられた分、イメージのシャープさの見え方がかわった。
また以前の版では微妙にトリミングで切落とされていた部分が修正されている。
テキストは当時
MoMAの写真部長だった
Peter Galassiによるものから、現キュレーター
Sarah Hermanson Meisterによるものとなった。
Lincoln Kirstein の文章"
Photographs of America : Walker Evans" は同じく掲載。アメリカのある時代の記録であると同時に、被写体の意味以上をおいても写真ができること、その起源もみるかのような本で何度も見返すことが出来る写真集だといえます。
Walker Evans - Wikipedia, the free encyclopedia
WALKER EVANS AND ROBERT FRANK: BY TOD PAPAGEORGE (PDF)
写真読解試論 「記録と記憶」ウォーカー・エバンズの一枚の写真を手掛かりに(PDF) 日高(江口)優
ASX : AMERICAN PHOTOGRAPHS AT THE MUSEUM OF MODERN ART(1938)
Design Archive : Frances Collins, Walker Evans, New York, New York, 1938
Oral history interview with Walker Evans, 1971 Oct. 13-Dec. 23 - Oral ...
Amazon.co.jp : Walker Evans: American Photographs - Seventy-fifth Anniversary Edition
ウォーカー・エヴァンス(ポケットフォト)
Walker Evans: The Hungry Eye
The Bitter Years: Edward Steichen and the Farm Security Administration Photographs