Historic images of Vietnam War take by courageous AP photographers | Daily Mail Online
AP通信のカメラマンが撮った写真300点が収録の写真集。狙撃されたパラシュートで落下する兵士とヘリコプターのシルエットの写真がイメージとして印象に残っていたが、改めてみると湾岸戦争以降これからも続く もっと泥沼の状況において、兵士や戦場の状況を伝えるには写真はなにかしら能力を欠いているように思う。
小型の暗いところでも撮影できるデジタルビデオカメラが可能にした、アフガンのデンマーク兵に密着したアルマジロと、同じくアメリカの前線基地レストレポ などドキュメンタリフィルムが伝える戦場の混乱の映像は画期的に思え、過去の写真はノスタルジックにも見える。
そしてこれら激しいドキュメンタリを見たあとで、戦場とはどのように存在するものか、リチャードアッテンボローの寓話的な「素晴らしき戦争」は本質をよく捉えていることがよくわかる。
Vietnam: The Real War: A Photographic History by the Associated Press
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レストレポ
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すると、ここまで来たときに、また思い出すのが前述の落ちる兵士のシルエットの写真だ。この写真は戦闘の状況は何も伝わらないもっともぼんやりした写真だが、機械と、力を失って投げ出された身体を見たときに、何か言語化できない後味を感じざるを得ない。
Tate Modernで開催中の写真を中心にした展示 "Conflict, Time, Photography" 残念ながらロンドンなので展示には行くことができないが、カタログを買った。戦争から時間が経ってから、戦争に対して各写真家がどのように考察し、ヴィジュアルとして提示したのか。なるほどこれなら写真は向いていると思わせる意欲的なキュレーションの展示。ドイツの爆撃された都市、ドレスデンなどにも巡回するが、東松照明氏の写真がキーヴィジュアルにもなっている長崎か広島にも巡回しないだろうか。
Conflict, Time, Photography review – emptiness, ruin and absence
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