血が繋がっていながらも同時にそれぞれ家族のメンバーにはそれぞれの人生と自我がある。自分の家族の様子を長期間に渡って大型カメラで撮影された
Doug Duboisの家族のアルバム。
この過去10年ほどの期間で、家族を被写体とした写真作品で思いつくのが
Richard Billingham のアル中ヤク中の労働者階級の親のどうしようもない生活を撮ったもの、
Motoyuki Daifu(題府 基之氏)の家族や一時期同居していた女性を撮っているもの。アプローチや家族のどの要素にフォーカスしてみせているかは様々だが、写真家は肉親であろうと同じ室内にいながら同時に被写体(自分の家族)を完全な他者としてみているのは共通な視線としてみられるし、そうしないと作品が普遍性をもつ何かにはならない。
同じく家族を被写体として話題となった
浅田政志氏の「浅田家」をこれらと比べるとその性質はとてもユニークで、家族として生きる上で直面してしまう事柄の普遍性ではなく”浅田家”の家族でしか為しえなかった特殊性が際立ってくることが改めてわかる。浅田家は家族写真ではなく、浅田家の家族の肖像写真といえる。
Doug Duboisの"All the Days and Nights"は2つの章にわかれていて前半が1984-1990の間に撮られたもの、1999-2008年の間に撮られたものを時系列順によらないで写真集では配置されている。家族写真であるとともに、後半では容赦なく誰もが経験する「老い」がやってくる様子がよく表されている。ポートレートとも、スナップ写真(キャンディッドフォト)ともいえるこの作品は、大型カメラによるもので精緻な描写が内容の表現に適していて、高い効果をあげている。
DOUG DUBOIS Family Photos
5B4: ...all the days and nights by Doug DuBois
Doug Dubois // All the Days and Nights on Vimeo
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...all the days and nights - books - Aperture Foundation
Sunday Salon » Richard Billingham
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リチャード・ビリンガム写真集 : RICHARD BILLINGHAM : RAY'S A LAUGH
Amazon.co.jp : All the Days and Nights
ポスト・サムシング:中西俊夫 (De Rigueur)
浅田家