12.11.2013

Profoto 901124 BatPac ポータブル 携帯 バッテリー プロフォト

(C)profoto

充電式のストロボを探していたが、考えた方を変えてこのポータブル式のバッテリーはいい選択肢。バッテリー式のモノブロックは台数分をそろえなくてはならないが、コンセントが二つあって600Wの出力容量、重さ11キロで今もっているストロボがそのまま使える。18万の定価はそりゃないといった値段だが安くなってきて円高なのかアメリカの販売価格より安い。

Profoto BatPac: Product Reviews: Adorama Photography TV 
Profoto(プロフォト) BatPac(バットパック) 901124 | GIN-ICHI オンラインショップ

11.27.2013

TIME Picks the Best Photobooks of 2013 TIME誌の選ぶ今年の写真集

TIME Picks the Photobooks We Loved in 2013 - LightBox

このあとphoto-eyeなどのいくつかのメディアやコレクター発信のベスト写真集が発表されます。2012年のものを振り返ると "Best Photobooks" というものも読みきれないくらい沢山のものが発表され、良質な写真集も沢山出版されているため飽和しているようにみえなくもないように思えます。

2012年のBest Photobooksをいくつか
Top 10+ photobooks of 2012 by Alec Soth « Little Brown Mushroom
The Best Photo Books Of 2012 | American Photo
TIME Picks the Photobooks We Loved in 2012 - LightBox
Our Top 10 Photo Books of 2012 - NYTimes
The 10 Best photography books - Features - Art - The Independent 
The best photography books of 2012: an alternative selection | theguardian 
photo-eye | 2012
Top 15 Photo Books of 2012 | Feature Shoot
top Japanese photobooks of 2012 | microcord
phot(o)lia | Photobooks 2012.

My top 10+ photo Books of 2013 by Alec Soth « Little Brown Mushroom

Toshiaki Kanayama Dotou 金山敏昭 "怒濤" 過去から未来に着地した写真達


年に一回、パリ・ファッションウィークとともに、世界中から多くの写真愛好家やコレクターが集まる写真フェア パリフォトが今年は11月14日から17日まで開催された。パリフォトと同時期に当て込んで開かれた関連の行事も増えにぎやかなものとなりました。

5,6年前には一部のコレクターが細々集めていた写真集も、近年単なる図録以上の価値が認められるようなり、2010年からはじまったOffprint Paris では写真に関する出版物を中心としたフェアも開催。写真集というものの位置づけを大きく変えたキーマンの一人として、自身も写真家としてマグナムに在籍する マーティン・パー が挙げられるでしょう。以前から写真集のコレクターとして有名だった彼ですが、写真集を通して写真史を編みなおすという野心をもっていることをインタビューで語っていました。

パリフォトでは THE PROTEST PHOTOBOOK 1956 – 2013 というタイトルで企画ブースを設け彼のキュレーションで60,70年代権力に対して当時の若者が火炎瓶などを投げて抗議活動を行い、それらの活動が撮影された写真を元に自主出版などで紙に刷られた出版物を紹介しています。

Open book [2013] - Paris Photo Grand Palais

もっとも目立った扱いとして日本の金山敏昭氏の「怒濤(dotou)」という本が挙げられているのですが、1984年に出版された「全共闘イマジネイション」は国会図書館に収蔵されているものの、さすがに自主出版物であるこの本は収蔵されておらず、またそれに関係するネットでの情報を検索してみても見当たらなかったのです。
本の見開きの画像を見ると、現在の日本とどうしても地続きと思えない様子で、大勢の人間が火炎瓶を投げたり、棒のようなもので車両を攻撃したり、プラカードをもって列になっていたり。東松照明氏や、森山大道氏などが発表した写真はよく目にしていたのですが、当時は日常的にこのような風景があったのでしょう。パリフォトのハイライトとしてTIME誌にも取り上げられています。

Report from Paris Photo: 13 of the Best Exhibitions from the Fair - LightBox

話題の 渡部雄吉 "A Criminal Investigation" も海外のコレクターによって再び注目を集めたという点で少し話しは似ています。(同じく)イギリス人のディーラーが神保町で120枚のプリントをみつけ、フランスの出版社に持ち込み写真集として出版され再び注目を集めました。

SHIFT 日本語版 | THINGS | 渡部雄吉写真集「張り込み日記」
roshin books | home
渡部雄吉写真集 : 張り込み日記 : WATABE YUKICHI : STAKEOUT DIARY


同じく日本の吉行耕平氏の"公園"(the park) については はまだ撮られた当時から本になり、雑誌にとりあげられていたという点でまだいい方でしたがサブカル扱いの知名度。Hatje Cantz から2007年写真集として出版され、その価値が新たな視点で評価されることになりました。その後、Yossi Milo Gallery が取り扱うことでプリントに高値がついています。

吉行耕平 The Park | 銀座 BLD GALLERY ビーエルディーギャラリー
PLACE M : 吉行耕平 : 公園 1971-1978 : Yoshiyuki Kohei : Kouen 1971- 1978
Juxtapoz Magazine - Kohei Yoshiyuki's "The Park


このように日本の60年代から70年代に撮られた写真の作者である三者に活動の差異はあれど、表現活動をしていた写真家ではなく、他の別のところに意図をもって写真に撮られたプリントだけが残って、それが海外のコレクターなどの手に渡り、そこに新たな視覚的刺激となる価値を見出されたという点がいかにも写真というメディアらしく、色んな示唆を与えてくれるように思えます。「写真は芸術か否か」 という問いを聞くたびに、どうでもいいと思ってしまうのは、写真の撮られた背景や意図を越えて時代やバックグラウンドによって読み方がいかようにも成立するという点で、やはり写真というものは面白く、また何が当たるか予測はできないもので、熱心に撮られ集積されたものは現在の鑑賞者だけでなく未来に向けられたものになるかもしれません。


Amazon.co.jp : 全共闘イマジネイション
Watabe Yukichi: A Criminal Investigation
吉行耕平 The Park 1971-73 
シークレット写真術―これが赤外線撮影だ!
ドキュメント・公園 吉行耕平写真集
Kohei Yoshiyuki: The Park