7.03.2015

Marcel Broodthaers マルセル・ブロータス ベルギー 芸術家 シュルリアリスト



東京の国立近代美術館の2つの展覧会。普段美術に興味のない人にも美術館の役割を丁寧に見せた 「No Museum, No Life?―これからの美術館事典 国立美術館コレクションによる展覧会」、実質暴走している現政権に対して美術館に何が出来るか、本来戦意高揚のプロパガンダのために描かれた戦争画など収蔵品を使ってあらわした 「MOMAT コレクション 特集: 誰がためにたたかう?」 ともによい展示だった。

展示の意図とは別にこれまで日本の美術館が収蔵してきた美術作品のバリエーション、点数も多くそれだけでも見ごたえはあるのだが、これまで名前はみたことはあるのだが、知らなかった芸術家がいたので自分のためにまとめておきたい。

マルセル・ブロータス - Wikipedia
Marcel Broodthaers - Wikipedia, the free encyclopedia

1924年生まれ、ベルギーのアーティストで、1976年の誕生日にケルンで亡くなっている。52歳。元々詩や映画、ジャーナリズムにたずさわっていたそうだが、1963年に美術家になることを決心。美術家としての実質の活動期間は13年。映像作品関連の展示は国立近代美術館ほかで散発的にみられるが、立体造形など包括的な展示は80年代にロンドンのTateほかいくつかの美術館で回顧展が開かれたものの、美術館での展示は2000年のベルギーでの展覧会以降目だったものがない。

映画/映像のメディウムを読み直す(「映画をめぐる美術──マルセル・ブロータースから始める」展レビュー):フォーカス|美術館・アート情報 artscape

16、7歳のときに詩人としてベルギーのシュルリアリストと関わりがあった際に、マグリットととかかわりがあって彼の影響を受けている。

しばらく展覧会がなかったのでネットで知るにはあまりまとまった画像やテキストが見つからなかったが、2016年にニューヨークのMoMAが回顧展を準備しているとのことで、カタログが出版され、またこのアーティストが注目を集める機会が増えるだろう。まずは国立近代美術館で現在開催中の展示で、二点の作品をみることができる。

MoMA | The Collection | Marcel Broodthaers (Belgian, 1924–1976)

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Marcel Broodthaers

7.01.2015

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無駄なものを買ってしまいそうで怖いが、梱包テープを買っておいた。必要なものがあれば。 

Justin Mortimer イギリス 画家 現代美術


97年にエリザベス女王の肖像画を描いて揶揄も含めて話題になったイギリス人の画家だそうだが、近年はよりフランシス・ベーコンに影響を受けたスタイルに変わって、ムードもモチーフも戦争や死や人間の野蛮な性質などシリアスなものに変わってきている。ウェブサイトには2007年からの作品が掲載されている。雑誌の写真などを参照しながら画面上に配置。防護服のようなマスクを被った人が繰り返しでてくる。ミヒャエルボレマンスや、Adrian Ghenie ほどではないが気になった画家。

Justin Mortimer 
Justin Mortimer - Wikipedia, the free encyclopedia
Parafin | Artists | Justin Mortimer
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Justin Mortimer / druk 1

6.26.2015

Conversations with the Dead Danny Lyon ダニーライアン 写真集

© Danny Lyon/Magnum Photos USA. Huntsville, Texas. 1968.

絶版になっていたダニーライアンの"Conversations with the Dead"が発売予定。

アメリカの写真家 ダニーライアンといえば、Chicago Outlaw Motorcycle Club の単車乗りを撮影した The Bikeriders が有名だが、テキサスの刑務所を取材した Conversations with the Dead の写真も興味深い。

ダニーライアンが60年代にテキサスの刑務所を取材し、重罪で服役する囚人を取材したものだが、写真が撮られた背景や文脈(ある説によるとダニーライアンにとって囚人たちをチャンスがなかったものの良い人間であるとみていたそう - Art - Danny Lyon, Stubbornly Practicing His Principles of Photography - NYTimes.com)とは関係なく、特に上の写真は人間存在についてなにか映像のみが指し示すことができるある曖昧な概念を想起させる。写真に写ったものが現実の風景でありながらも、言葉よりは情報を欠くため逆に写真は抽象的なことを指し示す能力を発揮することが稀にある。山の斜面を見上げているようでも、見下ろしているようにも見えるが、黒い背景に浮かぶ白い衣装をきて作業をする人々。

この上の写真はJohn Szarkowskiがキュレーションした1978年の"Mirrors and Windows"展でも取り上げられている。



Book - Conversations With the Dead.
Magnum Photos
Danny Lyon - Wikipedia, the free encyclopedia
Danny Lyon's inside shots | Art and design | The Guardian 


© Danny Lyon/Magnum Photos USA. Schererville, Indiana. 1964. Racer.

同様に有名なこの顔に泥がついてレンズを見ているレーサーの写真。

ここはダートレース場だろう。この被写体は笑っているのか、アイロニックな気分でいるのか、怒っているのか....写真の男の表情からわかるだろうか。

泥が顔ついた、バイクにまたがった、男が、こちらを見ている。鑑賞者にはこの視覚イメージを自由に鑑賞して解釈することがゆだねられている。

この写真は同じくMoMAでの1966年の展覧会、写真メディアがもつある機能についてのアイデアを提示した "Contemporary Photographers Toward a Social Landscape ..."で取り上げられている。

Toward a social landscape : Lyons, Nathan :: Internet Archive
p a r k: Contemporary Photographers Toward A Social Landscape(1966)

Amazon.co.jp : Conversations with the Dead: Photographs of Prison Life
The Seventh Dog
Mirrors and Windows: American Photography since 1960