1.12.2016

Francois Halard Casa Ghirri インテリア写真 アメリカ フランス

一つ前のLuigi Ghirri に関連して。ルイジ・ギッリのアトリエや、Cy Twombly のアトリエを撮って主に建築の内観を撮影する著名なフランス人インテリア写真家の Francois Halard  の写真集 "Casa Ghirri" (ギッリの家)

Luigi Ghirri | Francois Halard 
Cy Twombly

Alain Elkann interviews François Halard photographer

著名な装飾デザイナー Michelle Halard とYves Halard 両親の元に生まれ、住んでいた18世紀のパリのアパートにHelmut Newtonなど沢山のファッションフォトグラファーがロケ撮影にきていて、写真に興味を持ち、その後国立高等装飾美術大学(アールデコ・パリ)に進学、フランスのアヴァンギャルドなインテリア雑誌で撮影の仕事をして、のちにNYのコンデナストの編集者に呼ばれ、そのあとはVogueなどのインテリアの撮影を担当、大活躍し今に至る。

写真集自体は何かについて新しい発見があるというよりは、イタリアの光でモノが美しく写真に収められている。写真集の内容は以下にリンク先ですべて見ることができる。

Books | Francois Halard
1stdibs Introspective - Francois Halard 

Amazon.co.jp : Francois Halard
Francois Halard
Interiors Atelier AM
La Maison de Verre: Pierre Chareau's Modernist Masterwork 

Luigi Ghirri ルイジ・ギッリ イタリア 写真家 アーカイブ 資料 まとめ



イタリアの写真家というと、実験的でシュルリアリスティックな視覚効果を追求した Mario Giacomelli Frederick Sommer  硬質な建築の写真で有名なGabriele Basilico ファッションでは Paolo Roversi がいるが、写真集が沢山出版され近年よく話題に上るのは Luigi Ghirri (1943-1992)ということになると思う。

 LUIGI GHIRRI

画像資料は現在こちらで閲覧可能
Archivio fotografico Ghirri

貴重な写真集などこちらで閲覧可能
Luigi Ghirri - Libri d'artista - BDR01


つい最近立ち上げられた作品管理するアーカイブのウェブサイト。まただ情報が充分といえないがこれから拡充していくだろう。 商業ギャラリーの Matthew Marks Gallery がLuigi Ghirriの作品を取り扱っているのでそちらで画像などが参照できる。




20世紀初めに発生したイタリアのアートムーブメント 未来派 に反応して Anton Giulio Bragaglia などによって制作された動きを表現した写真 Photodynamism (Futurist Photodynamism フォトダイナミズム) 制作の意図は違っても、今その時期につくられた作品を見るとなにかしら幻想的にも見える。

現実そのものなのに少し現実からズレて別の現実に見えるような視覚効果を狙ったイメージ。Luigi GhirriやMario Giacomelliの作品からも受ける印象で、イタリア人らしさとかそういうのかはわからないが、なにかそういうの現実の見方はあるかもしれないし、ないかもしれない。まだまだイタリアの写真については知らないものも多く遡って色々みていきたい(イタリア語でのみ書かれているものも多いため参照できるものが少なく、日本の作品、作家についてもそうだが英語に翻訳されて各国の研究者に研究されることで活発な議論が生まれる)

Futurist Photography - futurist_photography(PDF)
How the Futurists got the picture - Telegraph 
Futurist Photodynamism | Italian Futurism 
Project MUSE - Futurist Photodynamism (1911)

関連した展覧会で、 昨日まで開催されていた原美術館のドイツ銀行のコレクション展にLuigi Ghirriのが3点。彼がアトリエを撮影した、イタリアの画家 Giorgio Morandi
の回顧展が兵庫県立美術館で2月14日まで(モランディ展) 2月20日から東京ステーションギャラリーに巡回。

2016年の展覧会予定(首都圏) | 美術館・博物館・イベント・展覧会


 Amazon.co.jp : 写真講義
ジョルジョ・モランディ
マリオ・ジャコメッリ写真集 <新装版>


1.06.2016

Carolyn Drake Wild Pigeon 2007-13 写真 ウイグル自治区 ドキュメンタリとアート



自費出版の写真集の賞で一等賞をとったということで、気にして内容をみてみたが、手法とモチーフの選択に必然性があり、強い印象を受けた作品

中国の領内 ウイグル自治区 でアメリカ人の Carolyn Drakeによって制作された作品だが、中国におけるこの地域政治的な意味、また偶像崇拝やアートは存在してはならないムスリムを信仰する被写体となった地域の人々との間で、この写真家は、プリントした写真を使ってその地域の人々にコラージュしてもらったり、絵を描きこんでもらうことで、結果として、写真だけでは表現しきれないこの地域の複雑な状況を、作品に語らせることに成功している。

外国から来た人が撮影した写真(例えばわかりやすい例で、滞在の日数の少ない外国人によって撮られた日本で撮られた刺青や芸者の写真)が、それらは「撮影者の主観に基づいたものである」という前提があったとしても、ひとたび制作者の手を離れると、それらにあたかも客観的な情報が記録されているかのように受け手はとらえる。

この作品は、その被写体などその地域の人の手(写真は切り刻まれ組み合わされはするがその)プロセスを経ることで、、このプロジェクトの遂行者であるCarolyn Drake の視点、アチチュード(物事に対する向き合い方)が浮かび上がるもので、このような対象に対して、このようなアプローチがあるのかと、そのことにはっとさせられた。

Wild Pigeon by Carolyn Drake from The Anamorphosis Prize on Vimeo.



写真集についてひとつ残念に思ったのはSelf-Published(自費出版)で作られた写真集のため、アーティストが責任と選択の全権限をもつアーティストブックとしての性格が色濃くでているが、受け手に作品の意味、成立を伝えるという目的からすると、優れた横位置の写真が、何が写っているがわかりにくい不適切なサイズで小さく収まっていたり、縦のページ対してに収まっていたりで、 コラージュや書き込みの方にかなり目が奪われて、何がどう写っているのかを見せるのには不十分、それゆえにウェブで写真を見るまではこの作品の優れた点を見落としていた。

何がどう写っているのか色んな角度から長期間にわたってこの地域の人々や生活が撮られていて、写真だけみてもなかなか優れている(実際 マグナムの候補 nominee となっている

The Best Photobooks of 2015
 
40X50 Editions - Wild Pigeon by Carolyn Drake
Carolyn Drake - Wild Pigeon, Self published, 2014, Mississippi/Amsterdam
Wild Pigeon 2007-13 - Carolyn Drake Photography
キャロリン・ドレイク写真集 : CAROLYN DRAKE : WILD PIGEON

Carolyn Drake - Wikipedia, the free encyclopedia

Robert Cumming Aperture コンセプチュアルアート 写真


The Difficulties of Nonsense: Robert Cumming in Conversation with Sarah Bay Williams – Part 1/2 
from Aperture Foundation

写真を用いたコンセプチュアルアートのアーティストでよく目にするアメリカのアーティスト Robert Cumming だが、90年代以降モノグラフなど出版されることなく情報を得ることが出来なかったが、Apertureからまとまった180ページの書籍が出版される。

George Eastman House Robert Cumming Series
Robert Cumming Miller Yezerski Gallery :: Contemporary art in Boston, MA


Robert H. Cumming - Wikipedia, the free encyclopedia
Robert Cumming | International Center of Photography 
Cumming, Robert - Page 3 | The Art Institute of Chicago

Robert Cumming: The Difficulties of Nonsense