2.25.2016

一日一菓 木村宗慎/著 青木登 撮影 和菓子と器の本




『一日一菓』木村宗慎/著|新潮社

元々ブログで発表されていたものだそうだが、四季折々毎日和菓子を紹介していたものをまとめた結構分厚い書籍。

単に色んな和菓子を紹介するだけでなく、京都を中心に各地の日常的に売られている色んなモチーフで作られたお菓子を、それにあった時代も、素材も形もさまざまな美しい器に盛られたものを、障子越しのやわらかい光でそれぞれが美しく、かつ同じトーンで撮影されている職人カメラマンの素晴らしい仕事。

ブログの方は現在もうないのか、見れるようになっているといいのだが、本が発売されてなくなったようだ。画面で見るのと違って、いい印刷でよい出来の書籍なのでたとえネットで見ることができても本は本で売れると思うのだが。

同じ著者の「利休入門」 も、”道”になる前のお茶が、当時の人々にとってどんなものだったのか楽しく読める本だった。「一日一菓」の前に出版された「一日一花」もあるが、そちらは活けられた花が壁の前で撮影されたもの。和菓子屋がそれぞれ考えて作った「意匠」がない分、私はあまり興味をもたなかった。

Amazon.co.jp : 一日一菓
利休入門 (とんぼの本)
川瀬敏郎 一日一花
一日一菓

2.23.2016

Datacolor Spyder LensCal AF オートフォーカス 精度調整 ピント調整 チャート




絞りを開放気味にするとボケる範囲が広く(好みもあるが)雰囲気のある写真になる。その分差し引きとしてピントがあっている範囲が狭くなる。そういった際にカメラのフォーカスの精度を調整することが重要になってくる。最近のデジタル一眼レフではレンズごとにそれらを調整可能。そのための指標となるチャートがモニターキャリブレーションのメーカー Spyder が作っている。

構造は簡単なものなので、この高いチャートの代わりに細かい放射状の線の絵があるなど平らで光沢のないマットな印刷物を垂直に立てて、それに定規を組み合わせれば計測することもできる。いずれにしてもAFの精度はそれぞれのレンズとボディの組み合わせでまちまちなので自分で調整できる機種を持っている場合は、当然やったほうがいい。

ネット通販ではマップカメラがバーゲン品を販売している。アメリカではだいたい70ドルくらい。

Datacolor SpyderLENSCAL - The Smarter Camera Focus Calibration Tool
pa r k: x-rite ColorChecker Passport カラーチャート

Amazon.co.jp : Datacolor Spyder LensCal
LensAlign MkII Focus Calibration System by Michael Tapes Design [並行輸入品]


Rakuten : 《新品アクセサリー》 Datacolor (データカラー) SpyderLensCal【特価品/在庫限り】

2.17.2016

Arthur Mole (1889-1983) アーサー・モール 巨大な人文字 集合写真 第一次大戦



第一次大戦の頃、アメリカで撮影された自由の女神、旗など愛国主義的なイコンを人文字で形作った写真。当時いろんなカメラマンが撮影し流行ったスタイルだと思っていたが、これらはすべてアメリカに渡った一人のイギリス人によるものだった。

Astonishing WW1 images created by innovative photographer - Mirror Online
Arthur Mole - Wikipedia, the free encyclopedia 
Patriot frames: the power of Arthur Mole's military 'living photographs' | The Guardian
CABINET // Dead Troops Salute

Arthur Mole 'Living Photographs' : Patriotism and the Slippery Slope to Nationalism | #ASX

これだけの人数を動員して、カメラの故障などで撮れていないと悲惨なものだが、それには周到な準備をしたはずだろう。完成度の高さが逆に気持ち悪い。ドローンやデジカメなどで撮影自体は今では容易になったが、ここまでのものが作るのは容易ではない

RVB BOOKS  LIVING PHOTOGRAPHS - Arthur Mole

DAWOUD BEY アメリカ 写真家 ポートレート ポラネガ



DAWOUD BEY
Milwaukee Art Museum | Class Pictures
Dawoud Bey - Wikipedia, the free encyclopedia

1953年ニューヨーク生まれ、のちにシカゴに移って活動するアメリカの写真家。アウグスト・ザンダーのように丁寧にアメリカの高校生を大型カメラで計画的に撮影されたのも意義あってよい作品だと思うが、 80年代に撮られた街で出会った通りすがりの人をネガ付きのポラロイドフィルムで撮影して、ポラロイドは被写体に記念としてあげて、残ったネガでプリントをつくった一連の"Street Portratis"の写真に魅力を感じる。被写体の顔の魅力も勿論そうだが、複数の勲章(のおもちゃ?)をつけた少女などその服装や、ポーズや背景、光などセットアップして撮られた、撮られることをわかって準備してきた被写体なかなかこうはならないであろう日常の様態のさりげない不思議さと、一期一会の緊張感などもあいまってそれらの写真惹かれる。

ちなみに、ネガとポラロイド両方できるPolaroidフィルム Type55は2008年に生産終了。まだ生産されているフジフィルムのインスタントフィルムからネガを作るツワモノもいるが、もはやスキャンしてデジネガ作ったほうが現実的な気もする。



B R A C K E T » » Instant Pleasure – Reclaiming Type 100 Negatives

Amazon.co.jp : Dawoud Bey: The Chicago Project
 Dawoud Bey: Class Pictures
FUJIFILM FP-100C(剥離式インスタントフィルム ISO-100カラー)
Dawoud Bey: Harlem, U.S.A. (Art Institute of Chicago)