作者が写真を撮らなくても作品になる、つまり写真のイメージの内容ではなく写真をつなぐ横糸=編集作業それ自体も創作活動であるということを教えてくれる、70年代後半に発表された写真を使ったコンセプチュアルアートにおいて、また ”ファウンドフォト(found photo)”の重要な作品。写真集として数年前に発売されたが、今回は廉価版で買いやすい値段。サンフランシスコMoMAのサンドラ・フィリップスのエッセイが添えられ来年早々に発売される模様。
ファウンドフォトの作品において、蚤の市でみつけた写真、インターネットでみつけたもの、拾った写真などその出自は様々だが、このラリー・サルタンとマイク・マンデルの作品においては、いくつかの研究機関や政府のアーカイブなどからイメージを選んでその原板から周到にプリントを作っているせいで、写真の出自が違うにもかかわらず均質に整理されることによって、その写真が撮られた意味や背景が取り払われ、イメージそのものに見ることの意識が集中するように仕向けられている。
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