心霊写真という言葉をきいてまず思い浮かべるのがスナップ写真にたまたま写ってしまった幽霊の写真だが、この本では第一次大戦が終わって、戦争での身内の死によって、遺体と対面することなく残された遺族のやりばのない気持ち。カウンセリングなどのケアがない時代に、そんな気持ちを慰めるために(心霊?霊魂?のような亡くなった肉親の気配が写った “Maybe we want to believe that after death, there is something more.”)心霊写真が制作された。それら「心霊写真」が成立した背景を見返すことで、結果として写真というメディアがもつ機能の一つについても述べられた興味深い本。
Amazon.co.jp : 心霊写真―メディアとスピリチュアル