12.12.2011

Infra - Richard Mosse リチャード モース


*グロテスクな写真もあるので人によっては閲覧に注意。

Richard Mosse (b.1980 Dublin)

Aperture 203 の表紙に掲載されたピンクに染まった紛争地の写真 - かつて軍隊の偵察隊がカモフラージュされた建造物を写し撮るために使っていた8x10の赤外線のポジフィルム(Kodak Aerochrome)で撮影された東コンゴの紛争地の写真が話題になりました。上の動画の写真家本人の説明によると、コンゴの紛争では部族がゲリラで動いて拠点をもたず留まらないことや、非常に長い期間に渡って続く紛争。その状況の複雑さがマスメディアであっても捉えきれない埋もれたコンゴをいかにして写真で見せたらいいのか考えた末、導き出さした方法とのこと。

The New Yorker : Photobooth Great Mistakes: Richard Mosse Posted by James Pomerantz
Richard Mosse | Photography
Richard Mosse 'Infra' Series
BLDGBLOG: Saddam's Palaces: An Interview with Richard Mosse(2009年のインタビュー)
exhibitions - JACK SHAINMAN GALLERY(展示風景)

なぜコンゴか、なぜ赤外線フィルムか。下にあるJoerg Colberg 氏のインタビューでさらに踏み込んで述べられています。ジャーナリズムについて、テーマへのアプローチについてなどかなり突っ込んだインタビューになっていて読み応えがあります。

Conscientious Extended | A Conversation with Richard Mosse


また、第二次大戦以降最悪、毎月4万人以上の死者が出ているといわれているルワンダ虐殺が引き起こした東コンゴの紛争。あまり日本では報道されていないのかネット上をいつものように探しても情報がありませんでしたが、UNHCR( 国連難民高等弁務官事務所)職員としてコンゴに赴いた 米川正子氏 (@Masako1884) の著書に詳しいとのことでそちらを参照とのこと。

プレカリアート : 世界最悪のコンゴ紛争と私たちとのつながりとは?
コンゴ民主共和国, 旧ザイール - faireal.net
そのガジェット、コンゴ大量虐殺の資金源かもよ?(GIZMODO) - livedoor ...
特集 コンゴ紛争|創成社
資源めぐる紛争 コンゴ民主共和国 - 世界を知ろう! Webギャラリー ...
UNHCRゴマ事務所所長 米川正子 緊急報告 | UNHCRの難民援助活動 ...

ちなみにカラーの赤外線フィルムはFrank ZappaのHot Ratsのカバージャケットや、Jimi HendrixのAre You Experiencedなど主に60年代のロックのサイケデリックな雰囲気を表現するために用いられていました。この写真家の作品履歴を見るといわゆる戦争写真家ではないので、ジャーナリスティックな手法や視点を最初から設定してしまわずに、見る人の目に訴求するであろう方法を使ってこの泥沼の紛争を象徴して見せたという点、アートと、ジャーナリズム両方への可能性を示していることで注目を集めたということが見えてきます。

Kodak : KODAK AEROCHROME III Infrared Film 1443
Kodak Aerochromeの魅力を最大限に楽しむ方法 - Lomography
p.a.r.k: Simon Norfolk - Afghanistan サイモン・ノーフォーク
Pieter Hugo Roger Ballen:南アフリカ共和国で活動する写真家 ...

Amazon.co.jp : Richard Mosse - Infra [ペーパーバック]
世界最悪の紛争「コンゴ」 (創成社新書) [単行本(ソフトカバー)]

Andrea Stern Photography "Inheritance " 家族 スナップショット

(C)Monacelli

あまりこのブログで取り上げませんが、あるものに出会ってそのまま反応的に撮られたスナップショットの魅力は容易に言語化できない分、興味が持続します。ニューヨークの写真家。

Andrea Stern Photography
Inheritance [ハードカバー]

Blondie Once I Had A Love aka The Disco Song 1975/1978 Version ブロンディ Heart of Glass



"Heart of Glass" (1979)というニューヨークのバンド Blondie のクラシックがありますが、それ以前に1978年と1975年のヴァージョンもあることを先ほど知って驚きました。1978年のは少しディスコになりかけていますが、1975年のはディスコのグルーヴがまだ身についていないことでかえってアヴァンギャルドな曲に聴こえます。少しマニアックな話でどうでもいいっちゃどうでもいいのですが、研究して少しずつ進化していく過程が興味深く努力の成果が見られます。ブロンディはニューヨークのアンダーグランドのニューウェブのバンドで、後にラップやディスコ、レゲエビートを節操なく取り入れて商業的にも成功していき、その功績は現在も高く評価されています。

アマゾンのカテゴリーではディスコ/ハウス/パンク・ハードコアのカテゴリーに入れられています。ラモーンズがアメリカの50'sのポップスを演奏しているようなディスコ以前の初期のロックも良いです。

Youtube : X Offender
Debbie Harry A Girl Should Know Better CBGB'S 1975
ブロンディ (バンド) - Wikipedia

Amazon.co.jp : The Best of Blondie [Import, from UK]
Blondie [CD, Original recording remastered, Import, from US]
iTunes Store : Blondie Once I Had A Love aka The Disco Song 1975 Version
Blondie Once I Had A Love aka The Disco Song 1978 Version
Blondie - Heart of Glass