2.15.2012

Jonnie Craig - I'll Kick You in the Head With My Energy Legs ジョニー・クレイグ


JONNIE CRAIG jonniecraig.com/

新刊のタイトルは”これでも食らって目を醒ませ”といったところでしょうか。2009-2011年の作品をまとめたもの。4月の発売。

SHIFT 日本語版 | THINGS | ジョニー・クレイグ:無題
Urban Outfitters - Jonnie Craig
Portrait Photography by Jonnie Craig | Photography Blog
UNTITLED : JONNIE CRAIG ジョニー・クレイグ写真集 flotsam books

Amazon.co.jp : I'll Kick You in the Head With My Energy Legs

2.12.2012

Michael Nyman マイケルナイマン ひかりのまち OST


Amazon.co.jp : Wonderland (1999 Film)
Nyman;Piano Concerto/Mgv
ひかりのまち [DVD]

MICHAËL/MICHAEL BORREMANS ミヒャエル・ボレマンス 画家


 
製作風景、ドローイングの位置付け、プロフェッショナルの画家であることについて、ヴェラスケスからの影響
アーティストを もっともよく紹介している映像。ギターを弾いて歌うシーンもあり、音楽は生活の一部になっている



Michaël Borremans (b.1963 ベルギー・ヘラーズベルヘン)

Zeno X Gallery - Michaël Borremans
Michaël Borremans at David Zwirner (Contemporary Art Daily)
David Zwirner » Michaël Borremans
Michaël Borremans - SMAK

フラマン語圏(オランダ語の一種)のベルギー人。元々は写真を学び、90年代中頃(30歳の頃)に絵画に取り組み始めたアーティスト。もっとも大きな影響を受けた画家としてディエゴ・ベラスケスを挙げている。ヴェラスケスなど近世以降の画家の描き方に倣い、何かの作業をする人、物思いにふける人など日常のありふれた様子を描いているものの、社会でどのような生活をして生きている人なのか推測できないような記号を剥がれた肖像、人々が取り組む作業の目的や、その場所はどこなのか..全て曖昧にされ、建物に対して人は大きく、建物のように見えるものは模型のようにもみえ、背景と人物の大きさがねじれている。そして、そもそも絵に描かれた人物は生きているのか死んでいるのかすらもわからない。

元々、聖書のエピソードを伝える為に、また王侯貴族や、資産家などのパトロンの依頼で描かれる絵画は実用的な目的を担っていた。(近現代になり特にプロテスタントの国々、地域では、次第に絵画が画家の純粋な表現として描かれるようになった。)

ボレマンスの絵に向き合うと、その描き方のスタイルなどもあって、鑑賞者はモチーフとなっている人物や動作になにか重要な意味があるのではないか - それを読み取ろうと集中することになる。ところがいくら見てもその表面には描かれたものを説明する記号はなく、鑑賞者はなんの解釈にも行き着かないその状態のまま宙ぶらりんになる。そこに彼の絵の魅力を起動する仕掛けがある。

絵画のほかに立体造形、映像の制作も。日本では2008年にギャラリー小柳で個展 "Earthlight Room" 2011年には、横浜トリエンナーレで数点の作品の展示があった。

元々彼の祖父が写真家で小さい時から暗室作業などを見てなじみがあり、何かヴィジュアルを扱う仕事を将来やろうと思っていたのだそう。のちに写真家、その後独学で画家となるが、今でも制作はモデルを写真に撮影してから描いており、プロセスの中に写真家であったときの経験が活かされている。一番上のYoutubeのリンクにある約1時間のドキュメンタリ"knife in the eye"がこのアーティストについてよく語っている。

比較として同じベルギーのアーティスト リュック・タイマンスへの連想も言われるが、Marlene Dumas とも共通する印象を(ある限定的な部分でだが)受けた。他にスペインのアントニオ・ロペス・ガルシア やデンマークのヴィルヘルム・ハンマースホイ など写実的絵画といっても克明に描くだけでなく、それぞれの作品が指し示す象徴された対象はさまざま。

MICHAËL BORREMANS ミヒャエル・ボレマンス 原美術館 アドバンテージ The Advantage 展

The Ember : Michael Borremans - A Victim of His Situation
ART iT: ミヒャエル・ボレマンス インタビュー
Interview: Michael Borremans - Features - Art in America (映像作品についてのインタビュー)
the secret charms of the enigma essay by Stefan Beyst
Michaël Borremans - Wikipedia, the free encyclopedia

Amazon.co.jp : Michael Borremans: Eating the Beard
Fire from the Sun (Spotlight Series)

2.10.2012

The History of Photography : From 1839 to the Present - Beaumont Newhall ボーモントニューホール 写真史テキストの草分け


(C)The Museum of Modern Art
 

MoMA(ニューヨーク近代美術館)写真部門の初代ディレクターであり写真史家である Beaumont Newhall (ボーモントニューホール) が記した写真史の古典。大学で写真を学ぶ際にまず買うことが命じられる文献にあたるものがこのテキスト。1839年はフランスではダゲール、イギリスではタルボットが写真技術を発表しました。1937年はMoMAで初めての写真展"Photography 1839-1937"が開かれた年。この本には1839年から1937年までの写真についての出来事が記載されています。アメリカのアマゾンのレビューを参考にすると一般的にこういったヒストリーの本は"Dry"(つまらない・無味乾燥)であることが多いですがこの本はよく書かれていて多くの情報も網羅されている、ということでした。私自身も写真史のテキストを読むのは苦痛ですが、そもそも写真とはどういうものなのか、また逆説的ですが写真史から自由になるために、写真史を俯瞰することはおおいに助けとなってくれます。邦訳は1956年白揚社版と、朝日ソノラマから1996年にもう一度。これら邦訳版は現物が手元にないので様子はわかりませんがアマゾンマーケットプレースや古書店では安価に売られているようです。

ちなみに以前このブログで紹介した Naomi Rosenblumが編集した"A World History of Photography"(邦訳版は美術出版社の"写真の歴史")は1839年から70年代終わりから80年代初頭までの写真史。

『歴史を多様性に拓く スティーブン・ショア”写真の性質”を手掛かりに』
(著:日高優「立教アメリカンスタディーズ」)[PDF]

Amazon.co.jp : History of Photography
写真の夜明け (クラシックカメラ選書)(朝日ソノラマ)
写真の歴史―1839年から現在まで (1956年)(白揚社)
A World History of Photography
写真の歴史(ナオミ ローゼンブラム 著)
Art and Photography (Themes & Movements)
美術の物語

写真の歴史 (「知の再発見」双書) クエンティン バジャック quentin bajac