製作風景、ドローイングの位置付け、プロフェッショナルの画家であることについて、ヴェラスケスからの影響
アーティストを
もっともよく紹介している映像。ギターを弾いて歌うシーンもあり、音楽は生活の一部になっている
Michaël Borremans (b.1963 ベルギー・ヘラーズベルヘン)
Zeno X Gallery - Michaël Borremans
Michaël Borremans at David Zwirner (Contemporary Art Daily)
David Zwirner » Michaël Borremans
Michaël Borremans - SMAK
フラマン語圏(オランダ語の一種)のベルギー人。元々は写真を学び、90年代中頃(30歳の頃)に絵画に取り組み始めたアーティスト。もっとも大きな影響を受けた画家として
ディエゴ・ベラスケスを挙げている。ヴェラスケスなど近世以降の画家の描き方に倣い、何かの作業をする人、物思いにふける人など日常のありふれた様子を描いているものの、社会でどのような生活をして生きている人なのか推測できないような記号を剥がれた肖像、人々が取り組む作業の目的や、その場所はどこなのか..全て曖昧にされ、建物に対して人は大きく、建物のように見えるものは模型のようにもみえ、背景と人物の大きさがねじれている。そして、そもそも絵に描かれた人物は生きているのか死んでいるのかすらもわからない。
元々、聖書のエピソードを伝える為に、また王侯貴族や、資産家などのパトロンの依頼で描かれる絵画は実用的な目的を担っていた。(近現代になり特にプロテスタントの国々、地域では、次第に絵画が画家の純粋な表現として描かれるようになった。)
ボレマンスの絵に向き合うと、その描き方のスタイルなどもあって、鑑賞者はモチーフとなっている人物や動作になにか重要な意味があるのではないか - それを読み取ろうと集中することになる。ところがいくら見てもその表面には描かれたものを説明する記号はなく、鑑賞者はなんの解釈にも行き着かないその状態のまま宙ぶらりんになる。そこに彼の絵の魅力を起動する仕掛けがある。
絵画のほかに立体造形、映像の制作も。日本では2008年にギャラリー小柳で個展
"Earthlight Room" 2011年には、横浜トリエンナーレで数点の作品の展示があった。
元々彼の祖父が写真家で小さい時から暗室作業などを見てなじみがあり、何かヴィジュアルを扱う仕事を将来やろうと思っていたのだそう。のちに写真家、その後独学で画家となるが、今でも制作はモデルを写真に撮影してから描いており、プロセスの中に写真家であったときの経験が活かされている。一番上の
Youtubeのリンクにある約1時間のドキュメンタリ
"knife in the eye"がこのアーティストについてよく語っている。
比較として同じベルギーのアーティスト
リュック・タイマンスへの連想も言われるが、
Marlene Dumas とも共通する印象を(ある限定的な部分でだが)受けた。他にスペインのアントニオ・ロペス・ガルシア やデンマークの
ヴィルヘルム・ハンマースホイ など写実的絵画といっても克明に描くだけでなく、それぞれの作品が指し示す象徴された対象はさまざま。
MICHAËL BORREMANS ミヒャエル・ボレマンス 原美術館 アドバンテージ The Advantage 展
The Ember : Michael Borremans - A Victim of His Situation
ART iT: ミヒャエル・ボレマンス インタビュー
Interview: Michael Borremans - Features - Art in America (映像作品についてのインタビュー)
the secret charms of the enigma essay by Stefan Beyst
Michaël Borremans - Wikipedia, the free encyclopedia
Amazon.co.jp : Michael Borremans: Eating the Beard
Fire from the Sun (Spotlight Series)