(C)日本エイテックス株式会社
Loweproのかなり大きいカメラバックを日頃よく使うことが多いのですが、それに元々ついているストラップのベルトの長さを調整する部分がプラスチックのため、重い荷物を持っているときにそれがずれさがってしまって困っていました。
東急ハンズの店員に相談したところ、金具のものであればストラップのベルトが滑らないで固定されるのではないかということで薦めていただいた商品。(下記は楽天のリンクです。ハンズでも同じ値段でした。)
ショルダーベルト(MIL-613)
帰って来てテストしてみたけど肩の部分にパッドも入っていてなかなか良さそうです。
買いっぱなしのカメラバックのストラップを換えることという発想がなく、今までつらい思いをしていましたが、こういう手もあるのかということで紹介しました。ちなみにこの商品日本製。なんとなくですが金具もしっかりしているように見えるんじゃないかというのは、聞き流してください。
耐加重:125kg
サイズ:38mm(幅)135cm(全長)35cmX6cm(パッド部分)
3.07.2010
3.06.2010
Taryn Simon: An American Index of the Hidden and Unfamiliar タリン サイモン 近くにある秘境の写真
この本に収録されている写真と場所、モノたちを繋ぐ横糸は何だろうか..このアーティストのサイトで写真につけられた場所を示すキャプションを見ることでそれはすぐにわかります。
核廃棄物の処理サイトのチェレンコフ光、点字のプレイボーイ、アメリカの税関で保管されている食物、マリファナを研究目的に栽培している施設、抽象表現主義の作品が飾られたCIAのオフィス。
それぞれの場所は、カタログのように同じように淡々と撮られ、すぐにそれが何のために存在している施設かわからないのだが、写真につけられたキャプションを見たときに、その場所や写っているモノの正体を知ったときの驚きが楽しい。
宇宙からの映像も、遠くアフリカの洞窟のイメージも簡単にネットの画像検索でみつけることができる現在(だからといって簡単には行けるところではないのだが...)秘境は遠方ではなく、我々の住んでいるところから車で2,3時間行ったところや、我々の立っている地面のすぐ真下に存在していると想像させる興味深い作品。
The Innocents というプロジェクトでは、冤罪になった50人の元被告が逮捕された場所で(もしくは彼らの運命を決定づけた場所、事件当時本当にいたアリバイの場所)撮影されたものがまとめられている。
最新作は "An American Index of the Hidden and Unfamiliar"から展開したものともみられる Contraband というプロジェクト。こちらは関税など国境で差し押さえられたモノだけを同じ白背景で大量に撮影しています。
Taryn Simon - Wikipedia, the free encyclopedia
exhibitions: fogless : Taryn Simon [フォグレス:展覧会:タリン ...
Youtube : TED RANDOM「タリン・サイモン 隠された側面を撮る」#ted_random
Taryn Simon photographs secret sites
TateShots: Taryn Simon
Wired : 一般人が立ち入れない「米国の秘密の場所」写真ギャラリー
Taryn Simon: A Living Man Declared Dead and Other Chapters, I-XVIII タリンサイモン
Amazon.co.jp : An American Index Of The Hidden And Unfamiliar
Contraband
The Innocents
Taryn Simon: The Picture Collection
謎の多いNick Waplington - Truth or Consequences
名前と彼の写真集のタイトルを知っている人は多いけど、実際どんな人か意外と知られていない写真家のNick Waplington
彼の作品集Truth or Consequencesという写真集は”Truth or Consequences”という不思議な名前をもつニューメキシコの街(そこの住人が1950年代頃にあったクイズ番組の名前にちなんで街の名前にとつけた)で撮影された。
なにげない家の引き出しに眠っているようなスナップショットのフリをしたアメリカの田舎のこれまで何回も映画や写真集で見た事のあるイメージのそれは、エグルストンのDemocratic Forestやスティーブンショアの”それ”、フリードランダーのような写真もあればロバートアダムスの写真をカラーにしたような”あれ”もある。
副題は”A Personal History of American Photography from the Last Century”(前世紀のアメリカの写真の個人的なヒストリー)とあるようにWalker EvansやEdward Westonなど20世紀前半の写真家へのオマージュだということがわかる。
過去に著名な写真家により撮影された写真に対するオマージュを立てることによって、写真を見る人、彼(彼女)自身が実際に体験として見たものが掘り起こされる記憶(デジャヴュ)と同じように、体験を通していないにも関わらず、ある写真を見ることによって蓄積されたイメージのデジャヴュがトリガーとなって立ち上がってくる記憶。
森山大道氏がアジェや安井仲治へのオマージュをたてるのにも少し似ている。(森山氏のさらにすごい(したたかな)ところは、自分が過去に撮った写真までも繰り返し複製していることでもある。)
Nick Waplingtonは 現在もアーティストとして活動中だが、彼自身のウェブサイトはみつからず、ネットで調べた限りイギリス人の写真家と書かれていたり、イエメンに生まれて今はイスラエルに住んでいるという記述があったり、その街の名前のように”Truth or Consequences”(真実か、あるいは帰結か)、あるいは(Wikipediaで知る限り)ネット上に散らばっている彼についての情報が真実か、ニセモノか検証することすらも無意味で、つまりは彼の近作の展示のタイトルにもあるように"You Are Only What You See"(あなたは、あなたが見ているものに過ぎない)といっているのかもしれない。
ben huff . words & photographs
Amazon.co.jp : Truth or Consequences
彼の作品集Truth or Consequencesという写真集は”Truth or Consequences”という不思議な名前をもつニューメキシコの街(そこの住人が1950年代頃にあったクイズ番組の名前にちなんで街の名前にとつけた)で撮影された。
なにげない家の引き出しに眠っているようなスナップショットのフリをしたアメリカの田舎のこれまで何回も映画や写真集で見た事のあるイメージのそれは、エグルストンのDemocratic Forestやスティーブンショアの”それ”、フリードランダーのような写真もあればロバートアダムスの写真をカラーにしたような”あれ”もある。
副題は”A Personal History of American Photography from the Last Century”(前世紀のアメリカの写真の個人的なヒストリー)とあるようにWalker EvansやEdward Westonなど20世紀前半の写真家へのオマージュだということがわかる。
過去に著名な写真家により撮影された写真に対するオマージュを立てることによって、写真を見る人、彼(彼女)自身が実際に体験として見たものが掘り起こされる記憶(デジャヴュ)と同じように、体験を通していないにも関わらず、ある写真を見ることによって蓄積されたイメージのデジャヴュがトリガーとなって立ち上がってくる記憶。
森山大道氏がアジェや安井仲治へのオマージュをたてるのにも少し似ている。(森山氏のさらにすごい(したたかな)ところは、自分が過去に撮った写真までも繰り返し複製していることでもある。)
Nick Waplingtonは 現在もアーティストとして活動中だが、彼自身のウェブサイトはみつからず、ネットで調べた限りイギリス人の写真家と書かれていたり、イエメンに生まれて今はイスラエルに住んでいるという記述があったり、その街の名前のように”Truth or Consequences”(真実か、あるいは帰結か)、あるいは(Wikipediaで知る限り)ネット上に散らばっている彼についての情報が真実か、ニセモノか検証することすらも無意味で、つまりは彼の近作の展示のタイトルにもあるように"You Are Only What You See"(あなたは、あなたが見ているものに過ぎない)といっているのかもしれない。
ben huff . words & photographs
Amazon.co.jp : Truth or Consequences
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3.05.2010
ウジェーヌ・アジェ回顧 東京都写真美術館編 (淡交社) アジェ 関連書籍 Eugene Atget アッジェ 巴黎
現代写真の父と(括弧つきで)呼ばれるウジェーヌ・アジェ(Eugene Atget)。彼は20世紀のパリで、前の世紀 - 19世紀の遺構を求めそれらの建築物や街路を撮影していました。
東京都写真美術館が刊行した資料も豊富な書籍”ウジェーヌ・アジェ回顧”という本。
どの時期にどの場所で実際何枚の写真を撮っていたのか、初めはパリ市内(城壁の内側)での撮影から、のちに郊外での撮影も平行して行い、再びパリ市内での撮影に重点をおいていたという撮影場所の軌跡。撮影した写真の点数でいうと10数年の間の記録 - 撮影点数が少ない年で150数点の写真、多いときで1911年の469点の写真を撮っていたことなど具体的な資料が巻末に掲載されていて、アジェについて研究する方にも参考文献になるであろう書籍です。
図録はアジェの撮ったモチーフが満遍なく、撮影された時期も横断してカバーされているので写真集としてもアジェ本の中ではいい構成。寸法は23.8 x 19.4 x 2.2 cm ということでB5くらい。
収録されている写真の中でユニークなもの。鏡に写ったアジェ(の機材)おそらくカメラの後にはアジェがいるはずです。以下、アジェ関連の書籍。
Atget: Paris (日本語版はアッジェ 巴黎)
かなりの掲載点数、印刷と紙が写真にあっている、版のサイズは小さいながらも5.8センチの厚みがある決定版。印刷の質も悪くなく、この写真家の仕事を知るにはこれが一番お勧め。
Atget: Photographe De Paris (Book on Books)
Book on Booksシリーズ(オリジナルの初版の写真集を丸ごと複写したもの)
近年の研究(といっても10年以上前から)では伝説として語られてきたアジェは本来どんな写真家だったのか検証が進んできている。例えばなぜマン=レイに軽くて機動力のあるカメラを薦められたのに、箱型の重い旧式のカメラを使用したか。それについて「アジェが頑固に昔の機械に固執したとの」俗説があるが、パリの建物と建物の間を入り組んでいる街路では撮影したい建築物に対して引きの距離がないために、アオリがどうしても必要であったなど、研究が進んでいる。
アジェは森山大道氏も影響を述べているし、またリーフリードランダーにもアジェの木の写真を連想させる連作が。ジョンゴセッージは毎朝アジェの写真集を見てから撮影しにいくともインタビューで述べている。
Friedlander
Lee Friedlander: New Mexico
最後に日本語の書籍では知っている限り、大島洋さんの写真家としての視点の考察をまとめたもの、今橋映子さんの自腹をきって原本にあたって丁寧に調べられた以下の書籍が勉強にもなり、また読み物としても非常に面白い本でこれらもお勧め。
アジェのパリ
パリ・貧困と街路の詩学―1930年代外国人芸術家たち
“パリ写真”の世紀
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