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3.10.2012

German photographers picked up on this p.a.r.k.


まとめ。このブログに書いた中で、意外にもドイツ人の写真家についてのポストはそう多くはなかった。3年前に自分の書いたものを読むとよくわかっていなかったのが見えて、これはかっこ悪い。

Thomas Struth のモノグラフ "Die Monographie 1977-2010 "
Thomas Demand トーマスデマンド(トマス / ディマンド)について
Albert Renger-Patzsch アルベルト・レンガー=パッチュ メモ
Michael Schmidt: Berlin Nach 1945 ミハエル・シュミット ミヒャエル
Native Mona Kuhn モナキューン(クーン) ボケ味 英語 Bokeh
Stefanie Schneider 期限切れのポラロイドフィルムを使って制作する写真家
Klasse Prof.Thomas Ruff - トーマスルフの生徒達

CONTACTS. [DVD] (now on dvd)11人の写真家の貴重なドキュメンタリ
Lots of Contacts. 写真家 コンタクト DVD ドキュメンタリ

3.06.2012

Thomas Demand トーマスデマンド

Thomas Demand (b.1964 ミュンヘン)

ベルリン(Hamburger Bahnhof美術館そば)を拠点にし、2010年よりロサンジェルスにも元家具倉庫だった大きなスタジオをもち制作、現在ハンブルグで教壇に立つ。Fritz Schwegler からスカルプチャー(立体造形)を学び、1993年からはインターネットや新聞などに掲載された写真を元にし、過去に存在した場所や室内に似せて原寸大で制作した紙の模型を記録するのに写真を用い始める。制作した紙の模型は展示せず写真撮影を終えるとそれを壊して、写真だけを展示する。(Wikipediaより)

近美で開催された展覧会「ドイツ写真の現在」で作品を見たことはあるのだが理解の仕方が十分とは思えず、東京都現代美術館で5月に開催される展示を前に折角の機会なのでもう一度ネットで見ることのできるソースを中心にみていきたいと思う。なお、熱心に検索したのだが(オンライン上だからなのか)日本語での踏み込んだ記事はとても少なく英語の評論、解説の記事が中心となった。

テキスト・画像(日本語)
another field: Thomas Demand (評論)
ARTiT : トーマス・デマンド 死刑台のエレベーター by Judy Annear
C'est pas moi : 生デマンドから真摯な制作方法を聴くことができた。
Esquire : みんな、どうやって書架を「編集」しているのだろう?あの人の本棚探索。(4)

日本での展示・プロジェクト
Thomas DEMAND 6/27 - 7/26, 2003(日本で初めての個展)
東京国立近代美術館:ドイツ写真の現在 ― かわりゆく「現実」と ...(2005年)
Thomas Demand 11月10日 ~ 12月 8日, 2007
CCA : トマス・デマンド 黒ラベル (2009) ISBN 4-901387-38-3 CCA Artists' Book Series


テキスト・画像(英語)*** お勧め
Thomas Demand - Wikipedia, the free encyclopedia
The 6th floor : A Sneak Peek at Thomas Demand’s Storm-Tossed Imagination (Pacific Sunについて)
After the Imperial Presidency (NYタイムスマガジンのコミッションワーク
Thomas Demand - today and tomorrow(画像)
Sprueth Magers :: Artists :: Thomas Demand(画像)
Thomas Demand: Tunnel - Ubu (故ダイアナ妃が亡くなったトンネルを走り抜けるドライバー目線の動画)
Art Blart : Exhibition: ‘Thomas Demand in Berlin’ at the Neue Nationalgalerie, Berlin(画像)
*** Thomas Demand, Fondation Cartier (Paris) « Caruso St John ...(カルティエ財団での展示)
*** Thomas Demand, Nationalgalerie (Nationalgalerieでの展示)
Thomas Demand The Dailies - MACK(書籍)
Nationalgalerie - Steidl(書籍)
photo-eye Bookstore | Thomas Demand: Thomas Demand | photo ...(書籍)


*** Thomas Demand creates achingly familiar space... 2010年の 建築雑誌 MARKの記事(PDF
(彼の作品を見た人が発する‘Say what?’(で?) Office (1995)を例にとって、"What is this?” I say, “I don't think I need to tell you.”作家自身と、作家以外(鑑賞者)とのあいまいで静かなゲーム。)

*** Portrait of the artist: Thomas Demand | Art and design | The Guardian
(短いQ&A - 父もアーティスト、叔父は建築家など芸術家になることしか考えていなかった。LAでの生活を楽しんでいる。尊敬するのはエドルシェとリヒター。言われて嫌なことは、いつも同じ作品ということ、彼らはわかっていない。ドイツのことわざに"always keep the ball low"というのがあって、それは自分の焦点を見失わないこと。)


Thomas Demand | Artinfo
(インタビュー MoMAでの展示スタイルから、Serpentineでの展示へと変わった背景。“digital”と“photography”についての自分にとっての問題解決の仕方。その探求の成果が、"Grotto"という作品。 )

Thomas Demand : www.art-it.asia "Lift to the Scaffold" by Judy Annear
(2000年から2009年の展示まで振り返って Lift to the Scaffold By Judy Annear)"that image acts as a trigger for his memory and imaginative interpretation, so that the process he embarks upon is one of giving the viewer a representation of his perception of a mediatized reflection of an event or object."

*** Art In America : Demand's Mirror
(もっとも参考になった2012年の記事 - 2010年よりLAに元家具倉庫だった巨大なスタジオをもった。デマンドは(インターネットなどの)マスメディアから画像を引用していることから、よくポストモダニストだと考えられているが、実はOliver Wendell Holmes(オリバー・ウェンデル・ホームズ - 物理学者、詩人)という熱狂的な写真師の1859年のコラム"Atlantic Monthly"を参照するとデマンドは知ってか知らずかこの写真師の後継者となっている。ディテールの記録こそ写真の特質であるにも関わらず、ディテールを省略("The omissions are very important to me,")すること、セットを壊すことよりもその制作の方法が彼にとってより重要なこととなる。 "His work raises, as he puts it, "the question of whether these news reports really serve any purpose other than making us numb to the world around us." ニュースリポートが世界に対してわれわれが無感覚になる以外に役に立っていることは果たしてあるのだろうか...? 1937年のマグリットの"La Reproduction interdite (Reproduction Prohibited)"について、[素晴らしいイメージで今日のほとんどの芸術作品の雛形となるもの。"見ることが問いとなると同時に、問題として現れる。] ("the act of seeing is called into question, but also, at the same time, is made visible as a problem."))

Getty.edu : A Visit to Thomas Demand’s Studio By Lauren Graycar
(デマンドのスタジオを訪ねたインターンのレポート。製作中の"Pacific Sun"となる映像作品について。)

Exhibition - La Carte D'Après Nature - Matthew Marks Gallery
マグリットを中心のコンセプトに、デマンドがキュレーションした展覧会について)

写真作品で過去に何か歴史的な出来事があった場所、戦争や事件があった場所を作品としたアフターマスの風景写真や、またフレーム内に人が写っていなくても人の存在を示唆する写真(例えばルイス・ボルツやロバート・アダムス)があるが、このトーマスデマンドの作品の場合、そのどちらにもあてはまるものの、その風景はほぼ原寸大で作られた紙製の模型であるということ。写真に何か過去の記憶を見ようとしてもはぐらかされ、たとえ人の気配をそこに見たとしてもどこまでいっても紙の模型であるからその模型の中に人は存在したことが一度もない。そもそもこれは作られたどこにも存在しない風景で写真に写っている模型は、イメージ制作の元となった出来事について説明する能力をも欠いている。イメージについてではなくイメージを”見る”という行為を鑑賞者に促す。彼がモナコの美術館でキュレーションした展示"La Carte D'Après Nature"で、ルネ・マグリットをテーマの主軸に据えている。

事件現場、政治の舞台、観光地で写真が誰かの手によって撮られる→作家はインターネットや新聞(紙)から写真を選ぶ→作家が見たことを一度記憶を通して生まれるズレを含めて再構成→紙の模型の制作→それを写真(これも紙)にして平面に再び置換する。元々3次元であったものが、アーティスト本人ではない誰かの手によって2次元に置換されたものを参考に、3次元のペーパークラフトに変換。それを2次元である写真に置き換えたものを美術館に展示し鑑賞者をこの視覚と認知のゲームに引き込む。鑑賞者は“What is this?”(これは何?)と作家に聞くと“I don't think I need to tell you.”(あなたに伝える必要はないと思う。)




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東京都現代美術館
トーマス・デマンド展 2012年5月19日(土) ~ 7月8日(日)
会 場 : 東京都現代美術館 企画展示室3F
"Pacific Sun"(映像作品 パシフィック・サン) (他、主な映像作品が公開)
(引用元となる2008年に起こった豪華客船パシフィックサン号の事故の映像 - Pacific Sun Cruise liner in very heavy seas
カタログ : タカイシイギャラリー 「Thomas Demand」 (講談社) ハード・カバー、84頁、掲載作品33点
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展示プリントはタイプC(銀塩プリント)に表面ディアセックフェース加工。

Diasec - Wikipedia
(ガラスと比べて発色とシャープネスがよくなり、また紫外線による退色にも強い。Diasecは商標である。)
Diasec - Fine Art
Diasec - Does anyone know anything about it? - Photo.net photo.net ...

p.a.r.k: CONTACTS. [DVD] (now on dvd)11人の写真家の貴重なドキュメンタリ
Art and Photography (Phaidon) Edited by David Campany

Amazon.co.jp : Thomas Demand Museum of Contemporary Art
Thomas Demand (Fondation Cartier Book)
Thomas Demand: L'esprit D'escalier
The Dailies
Thomas Demand: Nationalgalerie
写真のエッセンス―プロフェッショナル28人が語る写真作法(数ページのインタビュー収録)

10.11.2011

Only Photography ベルリン ギャラリー 出版 写真のアーカイブ

Only Photographyというベルリンのギャラリー。

社会学、歴史、地域研究、建築などのテーマに沿ってキュレーションされたあるテーマに沿った展示を年3、4回。写真集などの著作物の出版。歴史的な写真、現代の写真プリントのアーカイブの構築。2000冊の写真集、800冊のカタログがある図書館は、事前予約することで学生、写真愛好家が閲覧可能。アルルではこのギャラリーが出版した"Yutaka Takanashi, Photography 1965–74"が«Author Book Award»を受賞。なぜここまで出来るのかというくらい優等生。ウェブサイトもシンプルながら、沢山の情報が公開されています。

Only Photography, Roland Angst, Niebuhrstr. 78, D-10629 Berlin, Germany
Phone +49-(0)30-84720291, info@only-photography.com

10.05.2011

8.21.2011

Bergwerke und Huetten Bernd and Hilla Becher



エッセンが”European Capital of Culture 2010”に選出されたことを記念して写真集Bergwerke und Huettenが出版されています。

炭鉱は、ヨーロッパでも当然のごとく消えていくのですが、出版社の本の解説に、このベッヒャー夫妻の写真集に写る風景をノスタルジーをもって見ているというものがあり意外な気もしましたが、制作された当初の意図(作者が見たもの)を離れて、年月が経つことによって感傷を呼び起こす風景として(写真を見る人に)解釈されることは写真ではよくあることです。

(Schirmer/Mosel:Bergwerke und Hutten)

編集者による詳細情報(PDF)

5.29.2011

Albert Renger-Patzsch アルベルト・レンガー=パッチュ メモ


Albert Renger-Patzsch (b.1897 Wurzburg)

新即物主義(New Objectivity)に関連したドイツの化学者/写真家。Die Welt ist schön (The World is Beautiful/世界は美しい)と名前は聞いたことがあるのですが、少し興味がでてきたのでこの人に関連するリンク、また彼の及ぼした影響に関連するリンクををまずはまとめておきます。

Wikipedia : アルベルト・レンガー=パッチュ
Wikipedia : Albert Renger-Patzsch

かなりのボリュームの写真が第二次大戦の爆撃によって失われているそうなので図版も少ないのでしょうか。思いついたときに随時追加していこうと思います。

Shane Lavalette : New Objectivity and the Optical Properties of Photographs
Zabriskie Gallery : Albert Renger-Patzsch (1897-1966) Photographs
ALBERT RENGER PATZSCH (1897-1966) Photographs
artnet:search for Albert Renger-Patzsch
Art Icono:Albert Renger-Patzsch(画像)
buerger forum: 5fotos von Albert Renger-Patzsch(画像)
Bruce Silverstein : Plant Abstraction(画像)

Amazon.co.jp : Albert Renger-Patzsch: Photographer of Objectivity
Albert Renger-Patzsch: Joy Before the Object

9.12.2010

Gagosian Gallery, Andreas Gursky Mar 4 - May 1, 2010 Catalog

(C)Rizzoli

Gagosian Galleryで2010年3月に開かれたAndreas Gurskyの個展のカタログ。ハードカバー、スリップケース仕様。

作品の展示風景はこちらです。以前よりさらに巨大なプリントになってきているようです。

Amazon.co.jp:Andreas Gursky

7.10.2010

Michael Schmidt: Berlin Nach 1945 ミハエル・シュミット ミヒャエル


(C)Steidl

Ute Eskildsen のことをもっと知りたくなって検索していたところでてきた一人の写真家 Michael Schmidt(b.1945 ベルリン・ドイツ)日本では2005年に東京国立近代美術館「ドイツ写真の現在」で作品が展示されています。(Bio)

GALERIE NORDENHAKE
http://www.nordenhake.com/php/artist.php?RefID=70#images
http://www.nordenhake.com/php/artistsExhibitions.php?id=86

1984年にようやく知られはじめたとのことで、まだまだ情報が少ない中、詳しく書かれたブログがありました。
muse-ings: Michael Schmidt

・生徒にグルスキーや Ulrich Gorlich 制作の際のパートナーとしてLewis Baltz、エグルストン、ポールグラハム、ロバートアダムスといった面々
Museum of Modern Art, で過去2回の展示U-ni-ty - PDF
・系統立てて撮られたものではなく、膨大に撮られた写真をまとめタイトルをつけてまとめる
・元々は警察官だったそう


photo-eye bookstore : Irgendwo.
Michael Schmidt (Fotograf) – Wikipedia
Shane Lavalette / Journal / Michael Schmidt: Irgendwo
Übungsplatz〔練習場〕Michael Schmidt - Photographien
東京国立近代美術館:ドイツ写真の現在 ― かわりゆく「現実」と ..

Analogue Photography, when the Color is in the Grey Tones
Conscientious | Review: 89/90 by Michael Schmidt
On German Photography Today
Michael Schmidt, "U-NI-TY: The original book prints"

Amazon.co.jp : Michael Schmidt: Berlin Nach 1945
Michael Schmidt: 89/90
Frauen
Michael Schmidt:Food
Dashwood Books : Michael Schmidt

Remembering MICHAEL SCHMIDT, 1945–2014 – 032c Workshop
ミヒャエル・シュミット死去(1945-2014) ARTiT

5.19.2010

Mona Kuhn モナキューン(クーン) ボケ味 英語 Bokeh

©Steidl

1969年のブラジル生まれのドイツ人。
Mona Kuhn Official
Steidl:Native by Mona Kuhn
Mona Kuhn (baga-bigan : mona kuhn)
(Imaginei-me dentro de ti:Mona Kuhn - Evidence)


朗らかな光、ヌードの被写体達も清潔で静謐で、刹那というよりは永劫。上のインタビューでは写真家自身がよく知っている人を被写体として、家を一軒借りてそこをコミュニティとして自然に出来た雰囲気をじっくり撮るという方法。また、特筆すべき表現としてレンズのボケを生かしたものが日本以外ではあまり目立ったものがなかったなかですっかり世界的に市民権を得たのか、彼女の作品を構成する重要なファクターとなっています。川内倫子さんなどの世界的な活躍とも少しは関係しているのかいないのか。ちなみに(レンズ)"ボケ"は英語の単語"Bokeh"となり、その英語の単語は1997年にPhoto Techniques Magazine誌上でMike Johnston氏が使ったのがはじめてだそうです。

Wikipedia:Bokeh

Amazon.co.jp : Mona Kuhn: Native
Mona Kuhn: Photographs
Mona Kuhn: Evidence
Mona Kuhn: Bourdeaux Series

4.04.2010

Thomas Struth のモノグラフ "Die Monographie 1977-2010 "

(C)Schirmer /Mosel Verlag Gm

タイトルもそのものずばり"モノグラフ(年代)" - モノグラフ自体を蓄積していって写真を追加して出版している。その起点は1977に。デュッセルドルフアカデミーで絵画のトレーニングを73-80年に受け、リヒターからも絵画を学んでいる。その後ベッヒャーのサポートもあって、ベッヒャー夫妻の写真クラスの初年度にカンディダヘーファーらとともに参加。代表作にグレートーンの街路の写真、家族の肖像写真、美術館など公共の場所にいる風景の中にいる集団を大型カメラで撮影したものが挙げられる。現在ベルリンとニューヨークを拠点としている。

Thomas Struth Virtual Exhibition Tour
Wikipedia : Thomas_Struth
Museum MADRE - Thomas Struth
p.a.r.k. : Thomas Struthの1991年の渋谷の交差点 Shibuya Crossing

Amazon.co.jp : Thomas Struth: 1977-2002
Thomas Struth: The Monograph 1978-2010
Die Monographie 1978-2010(ドイツ語版)

3.25.2010

Petra Wunderlich と 與語直子さんのはなし

(C)Aperture

ベッヒャー夫妻というと、給水塔などを撮っていて、デュッセルドルフで写真を教えていてアンドレアス・グルスキーやトーマス・ルフや、トーマス・シュトゥルートやカンディダ・へーファー(Candida Hofer)が教え子にいてドイツや世界の写真のひとつの潮流を作っているということはよく知られているところだが、The Dusseldorf School of Photographyに掲載されている一人 Petra Wunderlich (b.1954)となると意外に知られてないのではないか..というより私が全然知らなかった。

以下 Petra Wunderlichの作品の画像が掲載されているサイトです。
artnet:Petra Wunderlich
Galerie Tschudi:Petra Wunderlich

現在フランクフルトで開かれている展覧会にも出品されている写真には、日本の土木技術の跡はないのだけれども、柴田敏雄さんの近作を思い起こさせる写真。

Objectivities: Photography from Dusseldorf
Aperture:The Dusseldorf School of Photography
Around the Corner: Zoe Leonard and Petra Wunderlich

(C)commandN

今日神田のKANDADAで展示されていた與語直子 / グラナダ展をみてきた話。

このブログのパーティーの背後に少しだけ見える写真を見て、気になり見に行くことにした。全く知らない名前だし、写真も見たことないし、写真を展示している常設のギャラリーでもない。

写真家本人は若くして交通事故で他界されているとのことで、彼女の友人達が残っていた40本のフィルムからセレクトした16点による展示したもの。写真はある一定の完成度に達していて、作品を見た後にいい写真展だったなと思えるものだった。松江泰治さんに師事されていたとのことですが、その影響は見られるものの、作者自身の視線は写真に"少しだけの叙情性”の形をとって印画紙上に確実に残されていた。

写真展自体は土曜日まで(実に硬そうな白い壁、高い天井をもつ東京ではまれにみるいいギャラリー)だが、幸運にも蒼穹舎から『GRANADA』というタイトルで、薄い本ですが実にいい本が作られているので展覧会を見逃した方も彼女の作品を目にすることができるでしょう。

『GRANADA』 與語直子さんの写真展

2.25.2010

Stefanie Schneider 期限切れのポラロイドフィルムを使って制作する写真家

(C)Hatje Cantz

Stefanie Schneider (born 1968 in Cuxhaven) ドイツの1968年生まれ、LAとベルリンを拠点にする写真家です。以下にまとまったアーカイブを掲載しておきます。映像を見れば一目瞭然で期限切れのポラロイドフィルムを使っています。またタイトルや映像を見ると映画や音楽への静かな言及も見られます。

instantdreams.net : Life’s a Dream:The Personal World of Stefanie Schneider
29 PALMS : "29 PALMS, CA".

Instant Light: Tarkovsky Polaroids タルコフスキーのポラロイド ...
Robert Frank "Polaroids"(Steidl) ロバートフランク新刊 ”ポラロイド” - park
La Collection De Photographie D'agnès b アニエスb.の写真 ...

Amazon.co.jp : Stefanie Schneider: Stranger Than Paradise
29 PALMS, CA
Stefanie Schneider

2.22.2010

Klasse Prof.Thomas Ruff - トーマスルフの生徒達

(C)Aperture

Klasse Prof.Thomas Ruff (Students of Prof. Thomas Ruff - トーマスルフ先生のクラス)

こんなサイトがありました。早くも美術館やギャラリーで目にする写真家もいます。ただトーマスルフで検索すると目に触れるようになっている、そんなことが意外と重要なことです。ルフ自身は、1974年にカメラを手にして夕方行われる写真教室に通い、徐々に実験的な手法へ。1977-85の8年間 Düsseldorf Art Academyにおいて、ベッヒャー夫妻の元で写真を学びます。

ARTiT : トーマス・ルフ
Thomas Ruff - Wikipedia, the free encyclopedia
Tate Magazine Issue 5: Thomas Ruff
foto8 : Thomas Ruff interview

Amazon.co.jp : 美術手帖 2012年 08月号 [雑誌](特集でルフについての解説)
The Dusseldorf School of Photography
Thomas Ruff: Jpegs
Thomas Ruff Nudes
Thomas Ruff

2.05.2010

Thomas Struthの1991年の渋谷の交差点 Shibuya Crossing

(C)Dallas Museum of Art

ドイツの写真家トーマス・シュトゥルート”Thomas Struth: 1977-2002”というダラス美術館の大判のカタログを見ていると1991年に制作された渋谷の交差点の写真が掲載されていることに気付きました。トーマス・シュトゥルートについて、世界中で撮影された街路や家族のシリーズからは写真の等価性を意識したものだと認識しています。

その中に”この”1991年に制作された渋谷の写真、なんらかのコンセプトを脇において、そのシリーズから一枚写真を取り出したとしてもあの交差点の11年前の姿、また”ホームアローン”や"レナードの朝”の映画の告知や今もある”キーコーヒーの看板”マキナ67を作った”カメラのドイの看板”といった文字情報がシンプルな驚きとなりました。写真の記録性の部分です。もう一点同じ交差点の写真がありました。



Amazon.co.jp : Thomas Struth. Fotografien 1978-2010
Still
Thomas Struth