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6.18.2010

Gueorgui Pinkhassov "Sightwalk" ゲオルギィ・ピンカソフ 

(C)Phaidon

先日原美術館のウィリアム・エグルストンの写真展を見に行って、そういえばと思い出した、1952年モスクワ生まれ、現在パリに在住の写真家ゲオルギィ・ピンカソフ (Gueorgui Pinkhassov)

マグナム・フォトス:ゲオルギィ・ピンカソフ Gueorgui Pinkhassov

26歳の時に映画監督のAndrei Tarkovskyが彼の作品に興味をもって、映画”ストーカー”のスティル写真の撮影を依頼したというのは有名な話。


マグナムというと色々なタイプの写真家がいるにしても、まずは”世界を伝える”というスタンスに立ったこのフォトエージェーンシーにあって、この写真家のユニークなのが-”物事を伝えるため意味のある被写体”を狙うのではなく、光と色と点や線からイメージを作ることにより重きを置いていることが彼をユニークな存在にしている。そのイメージ群はドキュメンタリとして成立しないくらいアブストラクト。エグルストンのパリや京都の写真が、その被写体になにか特定の意味があって写真に収められたわけではなく長方形のフレームに目の前にある事物をつかっていかに画面を埋めていくか、そこに関心をおいているところが大雑把に括ると指向として近いと考えられます。

作品集としては日本で撮影した"Sightwalk"という写真集。和綴じで製本されていて、表紙は不思議なブツブツした加工で凝った作り。Phaidonが手間をかけたなかなかの装丁。写真集としては比較的少ない25点の写真。日本を撮っているのにあまりエキゾチックにもみえず、延々と光と模様(とにかくドットへの関心が強い)にだけ反応していて気持ちのいいくらい割り切ったグラフィックへの意識。

Portfolio - Gueorgui Pinkhassov: Portfolio
Book - Sightwalk
Gueorgui Pinkhassov - Wikipedia
Gueorguy PINKHASSOV: Sightwalk - YouTube
 
Amazon.co.jp : Sightwalk
ストーカー [DVD]

2.16.2010

Instant Light: Tarkovsky Polaroids タルコフスキーのポラロイド写真集

旧ソ連の映画監督 アンドレイ・タルコフスキーが撮りためていたポラロイド写真。タルコフスキーの映画のシーンがそのまま写真に定着されたかのよう。右のページに写真のイメージが左側に日記とも散文詩とも、メモともとれるタルコフスキーの文章(英語)。



写真イメージの部分だけ光沢ニス仕上げになっていてポラロイドの写真が貼りつけて製本されたかのような手の凝った編集。A5くらいのサイズ。序文にはトニーノ・グエッラTonino Guerra - 数々の映画の脚本をアンゲロプロス、タルコフスキー、アントニオーニといった名監督と手がけてきた脚本家)が綴るタルコフスキー、そしてアントニオーニとで参列したグエッラの結婚式でのエピソード。 タルコフスキー、アントニオーニの二人は楽団が演奏する曲に "The Blue Danube" (美しく青きドナウ)を選んだのだそう。ちょうどポラロイドカメラをアントニオーニからもらったのはその頃、1977年頃のこと。

""In all my films, it seemed to me important to try to establish the links which connect people...those links which connect me with humanity, and of us with everything that surrounds us. I need to have a sense that I myself am in this world as a successor, that there is nothing accidental about my being here...I always feld it imporatant to establish that I myself belong to a particular tradition, culture, circle of people or ideas."" ( "Andrey Tarkovsky,m Sculpting in Time, translated by Kitty Hunter-Blair, London, 1986, pp.192-193)

あとがきにはイタリアの写真家 Giovanni Chiaramonte によるタルコフスキーの映画と内面世界について書かれたテキストが掲載。タルコフスキー個人の深遠な内面世界に少し触れることのできる書籍。
Guardian.uk : Cold snaps
Bright bright day
Andrei Tarkovsky on the set of "Nostalghia"

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サクリファイス スペシャル・エディション [DVD]
ノスタルジア [DVD]
Bright, Bright Day: Andrey Tarkovsky(ロシア語版)
Bright, Bright Day(英語版)