8.22.2010

Raffael Waldner - Car Crash Studies 2001-2010 カークラッシュのディテールへのフェティッシュ

(C)Jrp/Ringier

Raffael Waldner: Car Crash Studies 2001-2010

RAFFAEL WALDNER(b.1972 スイス/バーゼル)
車の事故車両のディテールへのフェティズム。写真にすることで抽象化、平面化しやすい。死のイメージを重ねることができること。そして徹底的に車の事故に焦点をあてることの情熱。

作品として成立させることについて、とても戦略的な作品だと思います。

Raffael Waldner Official

8.21.2010

Malcolm Venville Lucha Loco ルチャリブレのレスラー(Luchador)のポートレート

(C)Malcolm Venville

Malcolm Venvilleって人の情熱。メキシコシティでルチャリブレ見たあとに、大半のルチャドールの写真ってどれもルポルタージュのスタイルで撮られてるなぁと思って、もっと忠実に記録したほうがいいと思ってスタジオで撮影したんだって。

Charles Fregerのお相撲さんのとか、Rineke Dijkstraのビーチの人の写真も思い出したけど、どの写真も面白いからわざわざ比較はしません。

8.20.2010

Chin-pao Chen(陳敬寶老師) 東川賞 2010 海外作家賞


東川賞海外作家賞のChin-pao Chen (陳敬寶老師) のランドスケープの作品が特に面白かったので備忘録として。一個前に書いた Raghubir Singh もパリに長くいて、外からの目としてインドを捉え、陳敬寶氏はNYCのDepartment of Photography of School of Visual Artsで写真を学んでいることでちょっと重なるところがありました。

Chin-pao Chen’s website
東川賞 2010年受賞者プロフィール

郊外の建物を撮影したモノクロームの写真。ステートメントによると初めは“Taiwan Landscape”というタイトルがつけられ、自然と人工物との関係性を客観的に捉えていたものでしたが、台湾では、お墓も小さなお寺も家も並んで存在していることを写真をみることで初めて作者は発見しています。つけられたタイトルが "Heaven on Earth"というもの

陳敬寶的攝影部落格 - 樂多日誌
ポートフォリオレビューへの道: 東川町フォトフェスタ2010


Twitterの@Higashikawa_PFには、陳氏を交えたフォーラムでのやり取りが記載されており興味深い内容。

Raghubir Singh 70年代にカラー写真による作品を制作したインドの写真家

(C)Phaidon

アメリカのWilliam Egglestonは、芸術写真といえばモノクロだった時代に、カラー写真をアートの世界に持ち込んだ先駆者の一人として考えられていますが、文脈は違えど同時代にインドにもそんな写真家がいました。

学生の頃にHenri Cartier-Bressonの"Beautiful Jaipur"という写真集を見て感銘を受けたRaghubir Singh(b.1942 インド・ジャイプール)
という男。すぐに大学をドロップアウトして、写真に真剣に取り組むようになります。

Photography-Now:Raghubir Singh
Wikipedia:Raghubir Singh

彼の最初の写真集"Ganges"が出版されたのが1974年のこと。アメリカのWilliam Egglestonが初めてのポートフォリオ”14 Pictures”を制作したのも同じ1974年。

インドとアメリカ。共にアンリ・カルティエ・ブレッソンに影響を受けて写真を始めた二人がカラー写真の新しい歴史を作っていくこととなりました。

一番入手しやすいのが最後の写真集 A Way into India(Raghubir Singh)

パリに長くいたとのことで、異邦人の目でインドを見ている視点。なんだか Lee Friedlanderが運転する ”America By Car”の車でそのままインドまでいっちゃったようにも見え並べてみると面白いです。

Raghubir Singh Official