このブログは、写真集好きの管理人が、欲しい写真集をみつけてきてはブックマークに貯まったリンクをまとめたり、買った写真集の様子を紹介しているブログです。
評論家ではないこと、また写真集を単純に見て楽しむものとしてもっぱら見ているので、作品の評論には踏み込まないで、どこでいつ頃活動していて、何が写っていて、どんな本かということをひたすら調べては情報を蓄積しているブログです。(評論についてはいいサイトが沢山あるのでそちらを参照ください。)
投稿数は、減っていっていますが、細々続けて日本語であまり情報がない写真家を知る入り口になればと思っています。
最後に、今年印象に残った本を振り返りたいと思います。
石元泰博:桂離宮 (
六耀社(りくようしゃ))
石元泰博氏の桂離宮は、3次元の建築物を2次元に写真として置き換えることによって桂離宮という建物以前の線と面が浮かび上がってくるという建築写真というジャンルすらも超越した写真ならではの表現が強烈だった。
"思春期のほとんどをアメリカで過ごした石元氏が日本に帰国間もない頃に撮影が始まる。日本文化に対して歴史的な思い入れや先入観がなく、かえって素直に被写体に向い会えたと(石元泰博 桂離宮回想より)"(via:
tomokokawai)
Alec Soth:From Here to There: Alec Soth's America (
Walker Art Center)
アレック・ソスのミネアポリスでのキャリア半ばでのレトロスペクティブ展のカタログ。作家自身が本好きということもあって、このカタログは退屈になりがちな回顧展のカタログの中でも編集のリズムが格別に良く出来ている本。同じくカタログとしては鈴木清氏の回顧展
"百の階梯、千の来歴"のカタログもこぶりながら印象深いものでした。
Ed Ruscha: Photographer (
Steidl)
4年前に発売された本ですが、いろんな写真を沢山みるなどしてから、ようやく興味が惹かれるようになった本。
Eugene Atget: Paris (
Hazan Editeur)
アジェについては多くの言説がすでに沢山あり、写真を見る際にそれが写真をそのまま見るのを妨げるフィルターとなってまっすぐに見れていなかったのかもしれない。Robert AdamsやLewis Baltz を経由して彼の写真を再度みると(全ての写真とはいわないが)改めて一人の写真家の作品として見直すことができるようになりました。このフランスの出版社の約6センチある分厚い本は、写真に撮影された通りの名前だけが付されている白黒の写真が大量に掲載されています。反復と、ディテール。
日本写真集史 1956-1986(GOLIGA Books)
今年の日本の出版社のいい本。70年代から現在まで写真集文化が豊かな日本の名作が俯瞰できるのはおもしろい。
このように、5冊に絞り込むと偶然にもすべて過去に撮影されたものとなったが、来年も発売される写真集をいつも気にかけながら生活していることでしょう。
紀伊國屋書店 :
石元泰博 桂離宮(在庫あり)
MFAH catalog of Ishimoto photos wins award
5B4:Best Books of 2010
the guardian:2010's best photography books: my personal pick(Sean O'Hagan)
LITTLE BROWN MUSHROOM BLOG:Top 10+ Photobooks of 2010 by Alec Soth