3.09.2010

"Drainspotting" Remo Camerota マンホールの蓋の写真集 Mark Batty Publisher マークバティ

(C) Mark Batty Publisher

マンホールの蓋の写真集 "Drainspotting"
Amazon.co.jp : Drainspotting: Japanese Manhole Covers


日本のマンホールの蓋のデザインは種類も豊富で、おそらく世界でこんなに趣向を凝らした様々なマンホールが埋まってる国はないでしょう。マンホールの写真を集めた本。この本の編集者 Remo Camerota は、オーストラリアのデザイナーで、ほかにもショートムービー、アニメーションなど媒体を横断し広告でも活躍している。

またこの本の出版社 Mark Batty Publisher は他にも面白いネタ写真の本を出していて...


劇場の廃墟の写真 "Stages of Decay" Julia Solis
Stages of Decay

南アフリカのタウンシップ(ゲットー)の床屋
South African Township Barbershops & Salons


今はなくなってしまったニューヨークの伝説のライブハウスのCBGBの落書き
CBGB: Decades of Graffiti



ペニスの落書きが書き込まれた地下鉄のポスター - New York Dick
New York Dick

風変わりな自販機 - Vending Machines: Coined Consumerism
 



顔やキャラを弁当にしたもの - フェースフードレシピ
The Face Food Bento Book


p a r k: Polaroids ポラロイド 写真集
Not Niigata - Andrew Phelps 新潟ではないニイガタ 
Store Front: The Disappearing Face of New York 商店のファサード
Mark Steinmetz "Summertime" (Nazraeli) マーク・スタインマッツ (スタインメッツ)

3.07.2010

プレゼントに最適な写真集と訊かれても・・・

(C)2005-2009 The Sartorialist

雑誌のファッションストリートスナップを楽しみに見ている女性にはベストセラーのThe Sartorialist

現在も進行中のプロジェクトとのこと。
http://thesartorialist.blogspot.com/

他には写真の質が高いVogueに掲載された写真で構成されたケイトモスが表紙のPeople in Vogue: A Century of Portrait Photography

(C)Steidl/William Eggleston(via:Wallpaper.com)

フランス好きな彼女にはパリ写真の古典Henri Cartier-Bresson:Propos de Parisや面白いところでエグルストンのドローイングも一緒に掲載されているカラフルなWilliam Eggleston: Parisこのブログで紹介したAtget: Parisは全部モノクロの100年以上前のパリで決して日本人の想像するような70年代以降のパリではないので、ちょっと上級者向けです。

(C)Michael Light

科学や宇宙好きな女性も増えたということでそんな方には、The Universe: 365 DaysFull Moonが写真も美しい本です。

(C)Chronicle Books

身体意識への探求派(?)には、Love and Desire: PhotoworksとかずっとベストセラーのPlayboy: Brunettes(こういうのって乳首-もしくはバストトップを隠す習慣はどこからきているのでしょうか)

(C)Bene Factum Publishing Ltd

変わったところでCape Codの美しい空と海とビーチとリゾート地が写真に収められたCape Light: Color Photographs - A New Expanded Editionは美しい、また写真集の古典として有名な本。ただし、いずれ夏が終わる気配がそこかしこにあります。

Romanceは情熱的でグラフィックとしてもなかなかよくできたもの。
サンプルはこのフォトグラファー/アートディレクターのサイトで見ることができます。
Chris Craymer Romance

あとは定番になっていて女性にも人気があるらしい藤代冥砂氏のもう、家に帰ろうもこのリストに付け加えておきましょう。

ただ肝心のこれを書いている私が写真集を女性にプレゼントしたことがないのであくまで分析による文章。プレゼントしてなにがあっても私は責任とれませんのであしからず。よい週末をお過ごしください。

カメラバックのストラップを換えるという発想 - West Point(MIL-613) ショルダーベルト(ハードタイプ)日本エイテックス

(C)日本エイテックス株式会社

Loweproのかなり大きいカメラバックを日頃よく使うことが多いのですが、それに元々ついているストラップのベルトの長さを調整する部分がプラスチックのため、重い荷物を持っているときにそれがずれさがってしまって困っていました。

東急ハンズの店員に相談したところ、金具のものであればストラップのベルトが滑らないで固定されるのではないかということで薦めていただいた商品。(下記は楽天のリンクです。ハンズでも同じ値段でした。)

ショルダーベルト(MIL-613)

帰って来てテストしてみたけど肩の部分にパッドも入っていてなかなか良さそうです。

買いっぱなしのカメラバックのストラップを換えることという発想がなく、今までつらい思いをしていましたが、こういう手もあるのかということで紹介しました。ちなみにこの商品日本製。なんとなくですが金具もしっかりしているように見えるんじゃないかというのは、聞き流してください。

耐加重:125kg
サイズ:38mm(幅)135cm(全長)35cmX6cm(パッド部分)

3.06.2010

Taryn Simon: An American Index of the Hidden and Unfamiliar タリン サイモン 近くにある秘境の写真


(C)Steidl
”Taryn Simon: An American Index of the Hidden and Unfamiliar ”

この本に収録されている写真と場所、モノたちを繋ぐ横糸は何だろうか..このアーティストのサイトで写真につけられた場所を示すキャプションを見ることでそれはすぐにわかります。

核廃棄物の処理サイトのチェレンコフ光、点字のプレイボーイ、アメリカの税関で保管されている食物、マリファナを研究目的に栽培している施設、抽象表現主義の作品が飾られたCIAのオフィス。


それぞれの場所は、カタログのように同じように淡々と撮られ、すぐにそれが何のために存在している施設かわからないのだが、写真につけられたキャプションを見たときに、その場所や写っているモノの正体を知ったときの驚きが楽しい。

宇宙からの映像も、遠くアフリカの洞窟のイメージも簡単にネットの画像検索でみつけることができる現在(だからといって簡単には行けるところではないのだが...)秘境は遠方ではなく、我々の住んでいるところから車で2,3時間行ったところや、我々の立っている地面のすぐ真下に存在していると想像させる興味深い作品。



The Innocents というプロジェクトでは、冤罪になった50人の元被告が逮捕された場所で(もしくは彼らの運命を決定づけた場所、事件当時本当にいたアリバイの場所)撮影されたものがまとめられている。

最新作は "An American Index of the Hidden and Unfamiliar"から展開したものともみられる Contraband というプロジェクト。こちらは関税など国境で差し押さえられたモノだけを同じ白背景で大量に撮影しています。

Taryn Simon - Wikipedia, the free encyclopedia
exhibitions: fogless : Taryn Simon [フォグレス:展覧会:タリン ...
Youtube : TED RANDOM「タリン・サイモン 隠された側面を撮る」#ted_random
Taryn Simon photographs secret sites
TateShots: Taryn Simon

Wired : 一般人が立ち入れない「米国の秘密の場所」写真ギャラリー
Taryn Simon: A Living Man Declared Dead and Other Chapters, I-XVIII タリンサイモン

Amazon.co.jp : An American Index Of The Hidden And Unfamiliar
Contraband
The Innocents
Taryn Simon: The Picture Collection

謎の多いNick Waplington - Truth or Consequences

名前と彼の写真集のタイトルを知っている人は多いけど、実際どんな人か意外と知られていない写真家のNick Waplington


彼の作品集Truth or Consequencesという写真集は”Truth or Consequences”という不思議な名前をもつニューメキシコの街(そこの住人が1950年代頃にあったクイズ番組の名前にちなんで街の名前にとつけた)で撮影された。

なにげない家の引き出しに眠っているようなスナップショットのフリをしたアメリカの田舎のこれまで何回も映画や写真集で見た事のあるイメージのそれは、エグルストンのDemocratic Forestやスティーブンショアの”それ”、フリードランダーのような写真もあればロバートアダムスの写真をカラーにしたような”あれ”もある。


副題は”A Personal History of American Photography from the Last Century”(前世紀のアメリカの写真の個人的なヒストリー)とあるようにWalker EvansやEdward Westonなど20世紀前半の写真家へのオマージュだということがわかる。

過去に著名な写真家により撮影された写真に対するオマージュを立てることによって、写真を見る人、彼(彼女)自身が実際に体験として見たものが掘り起こされる記憶(デジャヴュ)と同じように、体験を通していないにも関わらず、ある写真を見ることによって蓄積されたイメージのデジャヴュがトリガーとなって立ち上がってくる記憶。

森山大道氏がアジェや安井仲治へのオマージュをたてるのにも少し似ている。(森山氏のさらにすごい(したたかな)ところは、自分が過去に撮った写真までも繰り返し複製していることでもある。)

Nick Waplingtonは 現在もアーティストとして活動中だが、彼自身のウェブサイトはみつからず、ネットで調べた限りイギリス人の写真家と書かれていたり、イエメンに生まれて今はイスラエルに住んでいるという記述があったり、その街の名前のように”Truth or Consequences”(真実か、あるいは帰結か)、あるいは(Wikipediaで知る限り)ネット上に散らばっている彼についての情報が真実か、ニセモノか検証することすらも無意味で、つまりは彼の近作の展示のタイトルにもあるように"You Are Only What You See"(あなたは、あなたが見ているものに過ぎない)といっているのかもしれない。

ben huff . words & photographs

Amazon.co.jp : Truth or Consequences

3.05.2010

ウジェーヌ・アジェ回顧 東京都写真美術館編 (淡交社) アジェ 関連書籍 Eugene Atget アッジェ 巴黎

(C)淡交社


現代写真の父と(括弧つきで)呼ばれるウジェーヌ・アジェ(Eugene Atget)。彼は20世紀のパリで、前の世紀 - 19世紀の遺構を求めそれらの建築物や街路を撮影していました。

東京都写真美術館が刊行した資料も豊富な書籍”ウジェーヌ・アジェ回顧”という本。

どの時期にどの場所で実際何枚の写真を撮っていたのか、初めはパリ市内(城壁の内側)での撮影から、のちに郊外での撮影も平行して行い、再びパリ市内での撮影に重点をおいていたという撮影場所の軌跡。撮影した写真の点数でいうと10数年の間の記録 - 撮影点数が少ない年で150数点の写真、多いときで1911年の469点の写真を撮っていたことなど具体的な資料が巻末に掲載されていて、アジェについて研究する方にも参考文献になるであろう書籍です。

図録はアジェの撮ったモチーフが満遍なく、撮影された時期も横断してカバーされているので写真集としてもアジェ本の中ではいい構成。寸法は23.8 x 19.4 x 2.2 cm ということでB5くらい。




収録されている写真の中でユニークなもの。鏡に写ったアジェ(の機材)おそらくカメラの後にはアジェがいるはずです。以下、アジェ関連の書籍。

Atget: Paris (日本語版はアッジェ 巴黎
かなりの掲載点数、印刷と紙が写真にあっている、版のサイズは小さいながらも5.8センチの厚みがある決定版。印刷の質も悪くなく、この写真家の仕事を知るにはこれが一番お勧め。

Atget: Photographe De Paris (Book on Books)
Book on Booksシリーズ(オリジナルの初版の写真集を丸ごと複写したもの)

近年の研究(といっても10年以上前から)では伝説として語られてきたアジェは本来どんな写真家だったのか検証が進んできている。例えばなぜマン=レイに軽くて機動力のあるカメラを薦められたのに、箱型の重い旧式のカメラを使用したか。それについて「アジェが頑固に昔の機械に固執したとの」俗説があるが、パリの建物と建物の間を入り組んでいる街路では撮影したい建築物に対して引きの距離がないために、アオリがどうしても必要であったなど、研究が進んでいる。

アジェは森山大道氏も影響を述べているし、またリーフリードランダーにもアジェの木の写真を連想させる連作が。ジョンゴセッージは毎朝アジェの写真集を見てから撮影しにいくともインタビューで述べている。
Friedlander
Lee Friedlander: New Mexico

最後に日本語の書籍では知っている限り、大島洋さんの写真家としての視点の考察をまとめたもの、今橋映子さんの自腹をきって原本にあたって丁寧に調べられた以下の書籍が勉強にもなり、また読み物としても非常に面白い本でこれらもお勧め。

アジェのパリ
パリ・貧困と街路の詩学―1930年代外国人芸術家たち
“パリ写真”の世紀

3.03.2010

作業机 フラットデスク ナカバヤシ HDE-1260NM


 

無印良品に手ごろな値段で作業机になりそうな机があると聞いて調べてみたものは、折りたためるし普通に使うには十分ですが、机の天板の広さ、耐加重の点であくまで家具なので、作業机として探しているものには満たない。次に業務用の作業机も探してみたが業務用だけあって価格も重量も一般の住居で使うにはオーバースペック。

というわけでアマゾンで見つけたナカバヤシというメーカーのHDE-1260NM という机。

いたって普通の事務用机ですが、十分な大きさと30キロという耐加重。パソコンとプリンタだけでなく、写真の引き伸ばしをされている方にもいいのではないかと思います。作業机なのでデザインはとくに良くも悪くも無く、実用性は十分といったところです。現物は商品写真よりは天板がちょっと明るい色にみえます。アマゾンの机の売り上げランキングで常に上位の人気の商品です。

もうひとつ、奥行きがもう少しあって耐加重が100kgでかつ1万円しない
(STRAIGHT/ストレート) ワークテーブル 折り畳みタイプ 38-100
も選択肢に。

Amazon.co.jp : フラットデスク W1200xD600mm ナチュラル木目 HDE-1260NM
ワークテーブル 折り畳みタイプ 38-10
KTC (京都機械工具) L型 六角棒レンチ セット HL107 

2.26.2010

オウテカ、ホアン・アトキンスだけでなくクロード・ヤングまで 2010.6.4

Autechre,Juan Atkins,Claude Young 2010.6.4 (FRI) OPEN/START 22:00~
場所:ディファ有明
先行予約:2010.2.27(土)Onlineストアにて。

先行販売は 2010.3.02(火) START :
disk union(渋谷CLUB MUSIC SHOP / 新宿CLUB MUSIC SHOP / 新宿本館1F / お茶の水CLUB MUSIC SHOP / 池袋店 / 下北沢店 / 吉祥寺店 / 国立駅前店 / 町田店 / 淵野辺店 / 千葉店 / 柏店 / 北浦和店)

(上記Beatinkのサイトより転載)

詳細はBEATINKのウェブサイトを。

オウテカ、ホアン・アトキンスだけでなく確か活動休止していたであろうクロード・ヤングまで。一見イギリスのオウテカとデトロイトのホアン・アトキンスは離れていて意外なラインナップのようですが、オウテカ、またレーベルWarpがデトロイトからの影響をずっといい続けていることは知っていたのですが、日本でこのようなイベントがあるのは斬新だと思います。ジェームステイラーとキャロルキングのジョイントコンサートの告知を聞いていて実感湧かなかったのですが、こういうのはアリなんですね。

Basement Jaxx 生産限定3枚組 ”スカーズ/ゼファー スペシャル・エディション”

(C)hostess

五枚目のScarsZephyrを2in1にしてスカーズ/ゼファー スペシャル・エディション(3枚組)というわけ。

ちなみにどちらかというとアンビエントでメローな”Zephyr”は”Scars”と元々セットでリリースする予定だったそうですが、結局別々にリリースされたもの。つまり、このスペシャルエディションが本来の姿だったということになります。

iTunes: BasementJaxx - Zephyr

そしてジャケットはというと、やっぱりそのまま二つのCDのカバージャケットを足しただけのもの。アートワークはイギリスのBIG ACTIVEです。

イギリスのデザインや、フォトグラファーのニックナイト(Nick Knight)、イギリス映画(例えばフローズン・タイム )の映像にしても、デジタルのノイズをも取り去った視覚的に不自然だけれどもクリーンでツルっとしたデザインをするものが好まれる印象があって、これもお国柄なのかとずっと興味をもってみていました。

GASBOOKから発売された作品集”Big Active (Gas book (02))”の中身はこんな感じです。




この視覚的効果を私なりに即席で分析すると、目で見ているものは写真のように見えるのだけれども、CGで作られたことは脳が知っている。それが引き裂かれた認知となってシュールリアリスムに近づく効果を得る、そういったところでしょうか。好きか嫌いかというとあまり好きではないのだけれども。



Myspace:http://www.myspace.com/basementjaxx
http://www.basementjaxx.net/

2.25.2010

DJ HARVEY 2010 tour of Japan決定 5月2日 RAINBOW DISCO CLUB

北海道から福岡まで沢山の場所を回るようなのでClubberiaより下記転載。

「DJ HARVEY 2010 tour of Japan」
出演者:DJ Harvey (Locussolus, Map of Africa / Black Cock // LA)

2010年 4月
23 (金) @宇都宮NEST
24 (土) @札幌PRECIOUS HALL
25 (日) @旭川BASSMENT
28 (水・祝前) @名古屋MAGO
29 (木・祝日) @愛知ASIA
30 (金) @広島MUGEN

2010年5月
1 (土) @太田RAISE
2 (日) RAINBOW DISCO CLUB晴海客船ターミナル臨港広場特設ステージ *Daytime outdoor party
3 (月・祝日) @福岡DECADENT DELUXE
4 (火・祝日) @新潟PRAHA
5 (水・祝日) @江ノ島OPPA-LA
7 (金) @大阪TRIANGLE
8 (土) @西麻布ELEVEN

*Artist promoted & Tour coordinated by HITOMI Productions, Inc.
DJ Harvey Myspace

強気のブッキングですね。RAINBOW DISCO CLUBについてはTwitter、また、WEBにて告知されています。

出演はDJ HARVEY,そしてQuiet Village/radio slaveのMatt Edwards、そして日本からはKENJI TAKIMIと今のところなっています。

チケットはすでに発売開始。10/3/1(月)10:00~10/3/14(日)18:00 <早割券>一般発売とのこと。いずれ全容が見えることと思います。西麻布ELEVENは2月18日のOPから豪華ですね。

Stefanie Schneider 期限切れのポラロイドフィルムを使って制作する写真家

(C)Hatje Cantz

Stefanie Schneider (born 1968 in Cuxhaven) ドイツの1968年生まれ、LAとベルリンを拠点にする写真家です。以下にまとまったアーカイブを掲載しておきます。映像を見れば一目瞭然で期限切れのポラロイドフィルムを使っています。またタイトルや映像を見ると映画や音楽への静かな言及も見られます。

instantdreams.net : Life’s a Dream:The Personal World of Stefanie Schneider
29 PALMS : "29 PALMS, CA".

Instant Light: Tarkovsky Polaroids タルコフスキーのポラロイド ...
Robert Frank "Polaroids"(Steidl) ロバートフランク新刊 ”ポラロイド” - park
La Collection De Photographie D'agnès b アニエスb.の写真 ...

Amazon.co.jp : Stefanie Schneider: Stranger Than Paradise
29 PALMS, CA
Stefanie Schneider

2.24.2010

キヤノンのデジタル一眼レフに - シグマ 50mm F1.4 EX DG HSM

35ミリ(一般的なフィルムサイズ)のフィルムカメラの場合、その使っているカメラボディ(本体)に”画像”の色や彩度,コントラストなど属性が左右されることは実質的になく、使うフィルムとレンズの組み合わせが写真の色やコントラスト、彩度の特性を決定します。

ではデジカメはというと、まずなにより(フィルム部分が本体に組み込まれているも同然だから)画像の質はそのままカメラボディ本体が左右、その次に使うレンズが特性を作ります。

フィルムカメラの場合は、カメラ本体とフィルムとレンズが高かろうと安かろうと関係なく好みの組み合わせを見つけて個性を楽しむことができましたが、デジカメの時代になるとカメラに使われている部品のグレードなどのスペック的なところへの依存が大きく、使いやすい画像を得ることができるかにかかっています。(もちろんあえて機種ごとに異なるデジタルのノイズを楽しむということは考えられますが)

キヤノンのデジタル一眼を使っている方も多いと思います。50ミリのレンズを標準レンズと呼んで(人間の目で見える範囲よりちょっと狭く、ちょっとだけ望遠気味に見えるのですが)基本のレンズとされていて、私も頻繁ではありませんが使っています。

(C)Canon

最初に使ったのがCanon EFレンズ 50mm F1.8 IIという廉価版のレンズ。プラスチックで出来ていてAFでピントが合焦するまでやや遅くは感じますが、これがよく写る。キヤノンの全商品の中で一番コストパフォーマンスが高い商品だと思います。キヤノンの一眼デジカメ使っている方、全員にお勧めできるレンズです。

(C)Canon

次に使ったのがCanon EFレンズ 50mm F1.4 USMというレンズで実売価格が4万切るくらい。単焦点のレンズでそこそこの価格なのでF1.8IIよりはよく写るだろうと買ったのだが、これがなかなかうまくいかない。作りもいいし、AFも早い。ただ1993年発売ということでデジタル一眼との相性が悪いのだろう。個体差もあるのかもしれないが、画面で見る分には問題ないのだが出力すると必ずしも適切な画像が得られなかった。

2007年1月26日に出たレンズ”EF 50mm F1.2 L USM”これは最高級。価格は19万4,250円ということでまず一本のレンズに払えない金額。きっと写りはいいのだろう。ただやっぱり買えない。

というわけでここで紹介したいのがシグマというメーカーの50mm F1.4 EX DG HSMというレンズだ。

(C)シグマ

正直、純正ではないレンズメーカーのレンズを使うことにためらいがあって初めて使うシグマのレンズだったが、これが値段の割によく写るレンズ。

Amazon:シグマ 50mm F1.4 EX DG HSM

ASCII.jp:シグマ VS キヤノン 標準レンズ4本勝負(2008年08月04日)
デジカメinfo:シグマ50mm F1.4 EX DG HSMはこのクラスでベストの光学性能

2.23.2010

"Fototorst" - Miroslav Tichy (Fototorst) チェコの出版社 Torst の写真集 ミロスラフ・ティッシー


(C)Torst

チェコの出版社 Torst。その出版社がチェコの写真家のピクトリアルなものから、ドキュメンタリ、アヴァンギャルドまで網羅し継続して発刊してきている写真家の選集が "Fototorst"

2004年の展覧会でようやくその存在を初めて知られるようになったミロスラフ・ティッシー(Miroslav Tichy)Jan Saudek、また画家のミュッシャ、そして日本ではあまり名前の聞かない人まで数多くの写真家の写真集を重版なしで出版しつづけています。版径(18センチX16センチくらい)が小さいため安価に抑えられている点もいい。




ちなみに上に写真集を紹介する動画を貼ったミロスラフ・ティッシーは1926年生まれのチェコのアーティストで、プラハのAcademy of Fine Arts で画家になるのを学んでいたのが1948年に共産党による統治が始まることで女性の肖像ではなく、労働者の絵を描くことを求められるものの拒否することで兵役につくことが強制された。その後も地元に帰ったティッシーは政治体制から距離をとりつづけ、60年代頃から自作のカメラで女性を撮影することに専念した。その後ソビエト体制。1985年に再び絵を描くことに取り組み、1989年にチェコはビロード革命により民主化された。(Wikipedia)

, "First of all, you have to have a bad camera", and, "If you want to be famous, you must do something more badly than anybody in the entire world."
(なによりまず、悪いカメラを持つべきだ。もし有名になりたかったら、世界中の誰よりも酷く何かをしなければならない)


実際自作のカメラはみすぼらしく、写真を撮られた女性たちも本当に写るカメラと思っていなかったためティッシーの好きなようにやれていたときもあったのだそう。

プラハは小さな街ですが、カフェやギャラリーを併設した良い書店が街中にいくつかあって、自由に本が読めなかった冷戦時代を体験しているからでしょうか・・・ 本への愛情をそこかしこに感じました。

p.a.r.k: FOTOTORST www.fototorst.com チェコ/スロヴァキアの写真家 フォトトルスト
TORST:Wikipedia
ミロスラフ・ティッシ- | タカ・イシイギャラリー / Taka Ishi Gallery 
ZEPHYR| MIROSLAV TICHÝ |
MIROSLAV TICHY | VICE 日本

Miroslav Tichý - photographer - home 
Miroslav Tichý show uncovers unseen images | Photography | Agenda | Phaidon 

Amazon.co.jp : Eva Fukova (Fototorst)
Josef Koudelka (Fototorst)
Jan Sagl (Fototorst)
Miroslav Tich (Fototorst)
Tichy

2.22.2010

New RadicalsとEugeniusつながり - 服の模様



これもラジオでかかってた曲。見事な能天気な一発屋ぶり。突っ込むところが沢山あるPVですが、いい曲だと思います。歌詞の内容は若者への応援歌。Tシャツが汗で汚れてるのか気になっていましたが、どうもミッキーマウスのプリントが洗濯し過ぎて取れているだけということがわかってほっとしました。現実を知りすぎている中学生に夢をもたせるため音楽の時間に歌わせましょう。

New Radicals / BARKS アーティスト
Maybe You've Been Brainwashed Too

iTunes:New Radicals

余談ですがvo.の人が羽織っている服で思い出したのが、スコットランドのバンドEugenius(& Vaselines)のPV。同じウィンドウブレーカー着てると思ったら全然似てませんでした。むしろギターに二本線。記憶もあいまいなものです。


Eugenius - Blue Above The Rooftops


iTunes:Eugenius
icon

Steso Songs & Lene Lovitch ステソソングス リーナラビッチ ゴス 神経症

(C)Photo: Camilla Lindberg Cover: Maria Stenström

スウェーデンのSteso Songsという歌手。
ラジオでかかっててとても耳に残る曲でしたが、Myspaceのプロフィールも見るとなんだかポーズはぎこちないし...自分で作ったであろうPVはこんな感じ(Rock Meって腕に傷つけてたり、父親との写真..)で歌詞の内容も内省的でどういっていいのかわかりませんが気になります。曲は印象的ですが、割と痛々しい。



ずっと前にみたパンクロック/ニューウェブのドキュメンタリ見たときにみてすごく違和感のあったリーナラビッチ(Lene Lovitch)を思い出します。リーナラビッチはかなり確信犯的ですが。



Steso SongsはiTunesで配信されていましたがLene LovitchはiTunesにも残念ながら音源がありませんでした。ステソソングスのシングルEPは”The Worse"(タイポグラフィ、HMみたいでカッコイイ)でアルバムは"Now,It's Dark"です。

また、Psykakuten(サイカクテン)というユニットを組んでアルバムもリリース。二枚組みでディスク1のタイトルが全部”Maybe Tomorrow”(きっと明日は..)なのがヤバイです。
Youtube : Psykakuten - If I Could Love I Would
Amazon.co.jp : Maybe Tomorrow
iTunes:Steso Songs - Now it's dark

Steso Songs "Now It's Dark" >> COCOHEART
Indienative» Blog Archive » 北欧の森ガール Steso Songs Live ...

Klasse Prof.Thomas Ruff - トーマスルフの生徒達

(C)Aperture

Klasse Prof.Thomas Ruff (Students of Prof. Thomas Ruff - トーマスルフ先生のクラス)

こんなサイトがありました。早くも美術館やギャラリーで目にする写真家もいます。ただトーマスルフで検索すると目に触れるようになっている、そんなことが意外と重要なことです。ルフ自身は、1974年にカメラを手にして夕方行われる写真教室に通い、徐々に実験的な手法へ。1977-85の8年間 Düsseldorf Art Academyにおいて、ベッヒャー夫妻の元で写真を学びます。

ARTiT : トーマス・ルフ
Thomas Ruff - Wikipedia, the free encyclopedia
Tate Magazine Issue 5: Thomas Ruff
foto8 : Thomas Ruff interview

Amazon.co.jp : 美術手帖 2012年 08月号 [雑誌](特集でルフについての解説)
The Dusseldorf School of Photography
Thomas Ruff: Jpegs
Thomas Ruff Nudes
Thomas Ruff

2.20.2010

古いデジカメには、もしかしてクラス2(Class2)のSDカード - TS4GSDHC2

(C)BUFFALO

古いコンパクトデジカメで500万画素しかないカメラ(IXY DIGITAL L2)が写りがよくていまだに使っているのですが、対応SDカードがClass2まで。いつの間にか記録メディアのSDカードがClass2(2MB/sec)→Class4→Class6になっていてなかなか見つけるのが大変でした。

同じように古いデジカメを大事に使っていてSDカードをお探しの方、アマゾンにひとつだけクラス2の商品がありました。

*実際に購入の際には必ずデジカメメーカーのサイトなどで対応情報とSDカードの使用可能な容量を確認することをお勧めします。

Transcend SDHCカード 4GB Class2 永久保証 TS4GSDHC2

関連するリンク:トランセンド:TS4GSDHC2

Photo-eye: THE BEST BOOKS OF 2009から(その1)

(C)Steidl

写真集に関して詳しい情報が多く参考になるPhoto-eyeで写真家、出版社、編集者、評論家がその1年間に発売された写真集を選出しています。

THE BEST BOOKS OF 2009(Photo Eye)

それぞれ日本の書店で見るもの、写真家の名前すら聞かないもの、またそれぞれつけられたコメントを見るのが楽しみです。このリストを数回かけてじっくり見て行きたいと思います。

9人と最も多い選出を受けている本は身も蓋もないただやはりというかロバートフランクの回顧展のカタログ Looking In.Robert Frank's The Americans.Photography が選ばれています。

次がMARK STEINMETZというあまり日本で名前を聞かない写真家の”Greater Atlanta”が大きな注目。マグナムのJim Goldbergのコラージュを多用したユニークな編集で、戦地となった国からの避難民をドキュメントした写真集Open See近年注目を集めるスウェーデンの若手の写真家JH ENGSTROM の本も選ばれています。

ここまでみてきて選者の好みの問題もあるでしょうが、ナレーティブフォトグラフィ(Narrative Photography)、社会との接点をもった広がりを持つ作品が写真集では注目を集めた年となりました。

(via:James Lomax - Narrative Photography)

後半はまた後ほど。


関連記事
p.a.r.k: あるカップルの所持品のオークションカタログ-the
Mitchell "Mitch" Epstein(ミッチエプスタイン) - "American Power" 工場の写真
Doug DuBois "All the Days and Nights"(Aperture)
Robert Adams: Summer Nights, Walking(Aperture) ロバートアダムスの夜の風景写真集

The Photographers' Gallery | Jim Goldberg: Open See

六代目三遊亭圓生 落語研究会の映像全集(DVD)下巻が発売!(2010年3月)

(C)Sony Music

昭和の名人六代目三遊亭圓生の奇跡のDVDが一年半ほど前に発売され長年落語を楽しんできている先輩たちにも大好評。演目数はたっぷりあるので、続いてその下巻が同じくDVD12枚セットで3月3日に発売です。


(C)Sony Music

こんなご時世にもお金がうなるほどあるという方は「圓生百席」六代目三遊亭圓生[完全盤](207,060円)がありますのでそちらをどうぞ。沢山の方が買えば景気浮揚してもっと笑顔になるかもしれませんね。

Amazon.co.jp : 落語研究会 六代目 三遊亭圓生 全集 上 [DVD]
落語研究会 六代目 三遊亭圓生 全集 下 [DVD]
古典落語名作選 其の二 [DVD]

Guy Bourdin: In Between ギイ・ブルダン


(C)steidl


今なら簡単に別撮りにして合成すればいいという話でもあるんだろうが、実写の質感が出す絵の力に驚かされる。シュールリアリズムでありながらグラマラスな夢の中に没頭しているかのような彼の写真。20世紀を代表するファッションフォトグラファーのうちの一人。

http://www.guybourdin.org/
Guy Bourdin Photographer

In Between - Steidl
i-D online : Guy Bourdin: In Between
Guy Bourdin Polaroids | LN-CC
Guy Bourdin: Vogue legend | Art and design | The Guardian

Sebastian Kim セバスチャンキム ファッション


Amazon.co.jp : Guy Bourdin: In Between
Guy Bourdin
Guy Bourdin (Stern-Fotografie)
Guy Bourdin
Guy Bourdin: Polaroids

1万以下のデジタルカメラを前にして YASHICA EZ F525

(C)exemode

YASHICAと言えば日本の名門カメラメーカーですがデジカメだしてるのかと思ったら、名前だけ新しい製造メーカーに受け継がれていたんですね。レンズを長野で作ってるというわけではなくちょっとがっかりしましたが、このカメラ、単4電池で動くから電池切れてコンビニで買えるし、高い専用電池を買わなくていい、あと古いデジタルコンパクトカメラの中古買うと使えるSDカードに制限があったりするけどSDメモリーカード(2GBまで対応) / SDHCカード(4GBまで対応)

画素数もいまや画素数競争で携帯電話でもすごい画素数でファインで撮っちゃうと逆にサイズを小さくするのが面倒。500万画素あればメールに添付、ブログやウェブにも使えるし結構いいんじゃないかと思いました。

EZ F525:Yashica オフィシャル
価格.com: EZ F525:Yashica オフィシャル

Amazon:YASHICA 500万画素デジタルカメラ EZ F525

ここまで書いてもっと手ごろなカメラがありました。さすがにOEMとはいえオリンパス、ペンタックスが1万切るカメラを売るとは複雑な気分ですがデジカメゆえといったところ。デジカメは部品を元に組まれたユニットを熟練工でなくても組み立てれば体裁が整うわけですがフィルムカメラならその値段では作れません。逆に言うと中古カメラ屋で売っている銀塩カメラはエンジニアが限られたコストのなか、いいカメラを作ろうと競いまくったそれはそれは素晴らしい宝の山となって見えます。